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2012年06月21日20:47

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■雨

●2012年06月21日(木)  雨

 ▼きょうは一日、小止みなく
  雨が降った。
  あしたも、きっと雨だろう。

  こんなとき、思い出すのは
  「土方殺すにゃ刃物は要らぬ、雨の三日も降ればいい」
  という、都都逸である。

  詩人・山田今次は、「あめ」という詩をつくった。

       あめ

      あめ あめ あめ あめ
      あめ あめ あめ あめ

      あめはぼくらを ざんざか たたく
      ざんざか ざんざか
      ざんざん ざかざか

      あめは ざんざん ざかざか ざかざか
      ほったてごやを ねらって たたく
      ぼくらの くらしを びしびし たたく

      さびが ざりざり はげてる やねを
      やすむことなく しきりに たたく

      ふる ふる ふる ふる
      ふる ふる ふる ふる

      あめは ざんざん ざかざん ざかざん
      ざかざん ざかざん
      ざんざん ざかざか
      つぎから つぎへと ざかざか ざかざか
      みみにも むねにも しみこむ ほどに
      ぼくらの くらしを かこんで たたく


 ▼幼いころ、淡路の母の実家で、
  じっと雨をながめていることがあった。

  梅雨時の外に出られない日、
  玄関脇のオモテと呼ばれる座敷のガラス窓から
  門の屋根や牛小屋の屋根に降る雨を見ていた。

  屋根瓦にも、夏蜜柑の木にも、
  雨樋をつたって流れ落ちる用水桶にも、
  その横に立て懸けてある釣り竿にも、
  雨はどこにも降っていた。


 ▼北原白秋の「雨」は、大正8年10月18日
  『赤い鳥』童謡 第壱集に発表されたそうだ。


     雨

  雨がふります、雨がふる。
  遊びに行きたし、傘はなし。
  紅緒のお下駄も緒が切れた。
 
  雨がふります、雨がふる。
  いやでもお家で遊びませう。
  千代紙折りませう、疊みませう。
 
  雨がふります、雨がふる。
  けんけん小雉子が今啼いた。
  小雉子も寒かろ、寂しかろ。
 
  雨がふります、雨がふる。
  お人形寢かせどまだ止まぬ。
  お線香花火もみな焚いた。
 
  雨がふります、雨がふる。
  晝もふるふる、夜もふる。
  雨がふります、雨がふる。

  
 ▼『赤い鳥』に発表された童謡「雨」の作曲者は成田為三で、
  楽譜も掲載されていた。それは長調の明るい感じの曲であった。

  今、私たちがよく知っている「雨」は、作曲「弘田竜太郎」の雨。
  短調の曲である。

  5番の歌詞が、

    雨がふります、雨がふる
    昼もふるふる、夜もふる
    雨がふります、雨がふる

  であることを、つい最近、知った。

  「昼もふるふる 夜もふる」と、童謡というより
  大人の演歌にも近い、嗟嘆のことばを書いた白秋は、
  当時、弟といっしょに立ち上げた出版社の経営に
  行き詰っていた。

  人は誰でも、雨に降られる。
  そして、雨は、外の景色に降るのではなく、
  人の心の中に降っている。



 ・【童謡】雨【UTAU】【和音マコ】
  



 ・井上陽水 "傘がない"
  



 ・ichiruki [雨/が/降る]
   

 

 ・雨の降る日に/小田和正(オフコース)
   



 ・森高千里 雨
   


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