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2006年07月27日04:56
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●身辺雑記�供�24）/■雑誌・欲望・広告 （3）
■雑誌・欲望・広告 （3）
◆欲望と広告
●きょうは摂津本山まで出かけ、そして三宮で友達と会って
喫茶店で、１時間半も、おしゃべりをしてきたので、晩飯を
食べたら急に眠たくなって、そこで、そのまま眠った。
目が覚めたら、妻はもう奥で寝ており、私ひとりが居間で寝ていた。
で、いつものように、のこのこ、この部屋に来て、いつものように
つけっぱなしのパソコンを開けて、新しい書き込みへの返事を
書いたり、マイミクさんのページを読んだりした。
●「雑誌・欲望・広告」と題して書き始めて、途中に「順不同」も
書いたりした。
気になったことを横道にそれて書いたわけだが、もともと
本論だって、いい加減なものだ。
なのに、癖らしく、知ったかぶりして、カッコウつけて書いたり
している。
どーも、根っから、うすっぺらで雑駁なんだよねー、と思いつつ、
それでも、ていねいで真摯な書き込みをいただくと、ほんとうに
ありがたいなー、と思う。
●で、本論にもどるわけだが、私たちの欲望というものは、
お釈迦様が言うようには、なかなか滅しにくい、ということ。
そして、欲望というものは、基本的には、生命の活力や意欲、
といったものとも関係があるらしくて、仏教ではこれを滅して
涅槃をめざす、ということになるのだが、生物学的には、
もし、ほんとうに、これを全部、滅したら、もうあとは死ぬ
しかないような状態になってしまう。
●また、単に生物学的な生き物でなく、社会学的な生き物でもある
人間は、欲望というか、意欲というか、自己と対象との関係で
その対象をものにしたい、手に入れたい、という欲求も、学習とか、
社会的関係とかで、自己のうちに形成していくらしい。
自己の社会化、つまり、世になじむ、とはそういうことで、
それではじめて、人間は人になるらしい。
その「社会化」の基本が言語だ。
●オギャーと生まれて、誰も言語を獲得したいと自覚して
「ことば」を欲望したわけではないが、意味とか、シンボルとか、
価値とか、そのようなものは、大きく見ると言語作用、言語活動
として人間にもたらされる。
そして、ここが大切なことであるが、生物学的な欲求、以外の
欲求、つまり欲望は、みな、この言語作用や言語活動を通じて
作られるらしい。
●人間が「脳」で「欲望」を抱くには、それを処理するための
媒体として「言語」（シンボル）が生み出されないと、いけない
らしい。
客体の認識である。
そして、対象・客体が、分けられる。つまり、認識であるが、
その認識に、よいもの・よくないものが付帯される。
●まぁ、つまらんことを長々と書いているが、要するに、言語は
対象を分割し、意味を付与し、価値を付帯する、ということである。
で、それがどうした、ということになるのであるが、言語の世界、
言語ゲームというものは、その戦略として、つねに、意味を
主張し、価値を競う、そういうルールの中に放り込まれると
いうことである。
どうも、独断的に述べていて、いかん。
まぁ、なんとなく、言いたいことが伝わればいいとする。
●長い前置きだったが、煎じ詰めると、資本制社会の中で
「広告」が「欲望」の媒体のように言われるが、実は、
「ことば」自身が、すでにそのなかに戦略的に「広告」要素を
備えていて、勝ち残ったものが生き残り、意味と価値を我が物に
するということ。
たとえば、ここに「椅子」というものがあったとしよう。
しかし、「椅子」の前は、「腰掛けるもの」で、人間が腰掛ける
という行為を誰かが最初にやり、誰かがそれを受容し、マネをする
という一連の人間たちの行為の連鎖がないと、人間は「腰掛ける」
こともしないし、「腰掛ける」ための「もの」、「椅子」も
発生しないし、「腰掛ける」という行為も、「腰掛けるもの」という
物の認識も生まれない。
「椅子」が発生するには、そのような歴史があり、「椅子」は
言語戦略で勝利し、生き残って今日、「椅子」としてある。
●そして、このことを明確に意識的に行うのが、「広告」である。
「椅子」があったとしても、それが「腰掛けるもの」であることを
知らない人々にとっては、それは無用の長物に過ぎない。
「椅子」が「椅子」であることを知らしめる行為が、宣伝・広告
である。
だから、人類の文化･文明は、人々の欲望と広告と言語戦略の
闘争の歴史でもあり、現在の文化･文明はその戦利品・結果でもある。
●私は、これまで、頭をあちらにぶつけ、こちらにぶつけ、
悩みばかりが多く、その割りに、実りの少ない、そんな人生で
あったと思うが、そんな人生であっても、自分の人生は、自分の頭と、
自分の手によって、切り開いてきた、と思っていた。
また、自分には「自分の考え」というものが、あるようにも思ってきた。
しかし、それは大きな誤りであり、大きな錯覚であることに
気がついた。
私の考えること、私のすること、私のすべてが、実は、人類発生
以来の、長い言語戦略の一環であり、自分のものと思っていた
ものは、そのすべてを、その先人たちに負っていることに気づいた。
それは、私のＤＮＡが私のものであると同時に、そのすべてを
私の先祖に負っているのと同じである。
また、ＤＮＡは生命の連鎖の戦略として、生き残り、継承されて
いるように、全くそれと同じように、私の考え、私の生き方も
先人たちからの連鎖の戦略、継承の中にある。
●そのようなことに気づかされる契機となったのが、
写真の「本」、天野祐吉「広告の本 人生はそれを模倣する」
（ちくまぶっくす 43）である。
■案内
・最近の日記「目次」
◆欲望と広告
●きょうは摂津本山まで出かけ、そして三宮で友達と会って
喫茶店で、１時間半も、おしゃべりをしてきたので、晩飯を
食べたら急に眠たくなって、そこで、そのまま眠った。
目が覚めたら、妻はもう奥で寝ており、私ひとりが居間で寝ていた。
で、いつものように、のこのこ、この部屋に来て、いつものように
つけっぱなしのパソコンを開けて、新しい書き込みへの返事を
書いたり、マイミクさんのページを読んだりした。
●「雑誌・欲望・広告」と題して書き始めて、途中に「順不同」も
書いたりした。
気になったことを横道にそれて書いたわけだが、もともと
本論だって、いい加減なものだ。
なのに、癖らしく、知ったかぶりして、カッコウつけて書いたり
している。
どーも、根っから、うすっぺらで雑駁なんだよねー、と思いつつ、
それでも、ていねいで真摯な書き込みをいただくと、ほんとうに
ありがたいなー、と思う。
●で、本論にもどるわけだが、私たちの欲望というものは、
お釈迦様が言うようには、なかなか滅しにくい、ということ。
そして、欲望というものは、基本的には、生命の活力や意欲、
といったものとも関係があるらしくて、仏教ではこれを滅して
涅槃をめざす、ということになるのだが、生物学的には、
もし、ほんとうに、これを全部、滅したら、もうあとは死ぬ
しかないような状態になってしまう。
●また、単に生物学的な生き物でなく、社会学的な生き物でもある
人間は、欲望というか、意欲というか、自己と対象との関係で
その対象をものにしたい、手に入れたい、という欲求も、学習とか、
社会的関係とかで、自己のうちに形成していくらしい。
自己の社会化、つまり、世になじむ、とはそういうことで、
それではじめて、人間は人になるらしい。
その「社会化」の基本が言語だ。
●オギャーと生まれて、誰も言語を獲得したいと自覚して
「ことば」を欲望したわけではないが、意味とか、シンボルとか、
価値とか、そのようなものは、大きく見ると言語作用、言語活動
として人間にもたらされる。
そして、ここが大切なことであるが、生物学的な欲求、以外の
欲求、つまり欲望は、みな、この言語作用や言語活動を通じて
作られるらしい。
●人間が「脳」で「欲望」を抱くには、それを処理するための
媒体として「言語」（シンボル）が生み出されないと、いけない
らしい。
客体の認識である。
そして、対象・客体が、分けられる。つまり、認識であるが、
その認識に、よいもの・よくないものが付帯される。
●まぁ、つまらんことを長々と書いているが、要するに、言語は
対象を分割し、意味を付与し、価値を付帯する、ということである。
で、それがどうした、ということになるのであるが、言語の世界、
言語ゲームというものは、その戦略として、つねに、意味を
主張し、価値を競う、そういうルールの中に放り込まれると
いうことである。
どうも、独断的に述べていて、いかん。
まぁ、なんとなく、言いたいことが伝わればいいとする。
●長い前置きだったが、煎じ詰めると、資本制社会の中で
「広告」が「欲望」の媒体のように言われるが、実は、
「ことば」自身が、すでにそのなかに戦略的に「広告」要素を
備えていて、勝ち残ったものが生き残り、意味と価値を我が物に
するということ。
たとえば、ここに「椅子」というものがあったとしよう。
しかし、「椅子」の前は、「腰掛けるもの」で、人間が腰掛ける
という行為を誰かが最初にやり、誰かがそれを受容し、マネをする
という一連の人間たちの行為の連鎖がないと、人間は「腰掛ける」
こともしないし、「腰掛ける」ための「もの」、「椅子」も
発生しないし、「腰掛ける」という行為も、「腰掛けるもの」という
物の認識も生まれない。
「椅子」が発生するには、そのような歴史があり、「椅子」は
言語戦略で勝利し、生き残って今日、「椅子」としてある。
●そして、このことを明確に意識的に行うのが、「広告」である。
「椅子」があったとしても、それが「腰掛けるもの」であることを
知らない人々にとっては、それは無用の長物に過ぎない。
「椅子」が「椅子」であることを知らしめる行為が、宣伝・広告
である。
だから、人類の文化･文明は、人々の欲望と広告と言語戦略の
闘争の歴史でもあり、現在の文化･文明はその戦利品・結果でもある。
●私は、これまで、頭をあちらにぶつけ、こちらにぶつけ、
悩みばかりが多く、その割りに、実りの少ない、そんな人生で
あったと思うが、そんな人生であっても、自分の人生は、自分の頭と、
自分の手によって、切り開いてきた、と思っていた。
また、自分には「自分の考え」というものが、あるようにも思ってきた。
しかし、それは大きな誤りであり、大きな錯覚であることに
気がついた。
私の考えること、私のすること、私のすべてが、実は、人類発生
以来の、長い言語戦略の一環であり、自分のものと思っていた
ものは、そのすべてを、その先人たちに負っていることに気づいた。
それは、私のＤＮＡが私のものであると同時に、そのすべてを
私の先祖に負っているのと同じである。
また、ＤＮＡは生命の連鎖の戦略として、生き残り、継承されて
いるように、全くそれと同じように、私の考え、私の生き方も
先人たちからの連鎖の戦略、継承の中にある。
●そのようなことに気づかされる契機となったのが、
写真の「本」、天野祐吉「広告の本 人生はそれを模倣する」
（ちくまぶっくす 43）である。
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