●2012年05月20日(日) 晴れ
▼きょうはチカが、学校帰りに今月分の小遣いを
取りに来ると言う。
妻は、「あんた、甘いこと言ったらダメよ」と私に言う。
「お小遣いが欲しかったら、自分で電話して取りにこないと
あげない、と言ってあるから・・」と言う。
先日、アツシから電話があり、
「こんどの日曜日、オネーがお小遣いをもらいに行くけど、
じいちゃん、昼ごろ居る?」と問い合わせてきた。
アツシの声は、チカの声にも似ており、いま変声期のようである。
▼以前は月末に、家族そろってやってきていたが、
去年、ショウが働き出したころから、
月をまたいで、翌月の月初めに来るようになった。
そして、月初めが、次第に中旬へずれ込むことが多くなった。
アツシは小遣いが乏しくなると、
「じいちゃん、もらいに行ってもいい?」と
自分で電話してくることも、前にはあったが、
そのアツシも、最近は、はにかむようになり、
電話をかけてこなくなった。
電話するのも、二の足を踏むようで、できるだけ自分では
避けるべく、この頃は、チカとアツシが毎月交代で
電話をかけてくる。
▼チカは、昼前、妻がまだ出勤する前にやってきた。
きょうは学校の健康診断だったようで、私は
「じいちゃんは今から昼ごはんや、いっしょに食べるか?」と
勧めてみたが、帰ってから食べるという。
妻は、林檎を剥いた。パクパクと2切れほど食べた。
私が、「忘れないうちに・・」とお小遣いを渡すと、
チカは「アルバイトをはじめたから、私の分は、もういいよ」と
断った。
「まぁ、もらっとき。いまから必要な時に貯めとき」と私が言うと、
妻が、「あんたとこのお父さんは計画性がないんだから・・」と言う。
「それは充分、承知しています」とチカが笑って、小遣いを受取った。
▼妻は先日、娘に電話したとき、
「お父さんも、お母さんも、もう若くはないんだよ」
と言ったらしい。
娘は、職場や近所で、私達と同じ年恰好の人の年齢を知って
驚くという。
「お母さんって、ほんとに元気だなー」と思うと
言うのだ。
たしかに、妻は年齢よりずっと元気で、次男が
死んでも死なない「ゾンビ」という渾名をつけたが、
口も達者で、いままで、ほとんど病院にいったことがない。
妻は、今月9日、67歳の誕生日を迎えた。
▼いつものように、「忙しい、忙しい」と言いながら
妻はチカといっしょに出かけるため、出勤の準備をした。
食料品やお菓子など、お土産の手提げの紙袋が3個もあるので、
「持てるか・・?」とチカに訊くと、チカは「持てるよ」と言う。
それでも、「ばあちゃんに1個持ってもらって、駅までいっしょに行ったら
いい」と、手提げを1個、妻に渡した。
階段の下で、チカは振り返って、手を振った。
あとは妻と何か話しながら、二人は団地の入り口の方へ向かった。
▼机の上に、2週間ほど前、会社から届いた「健康診断の案内」が
置いてある。
私も健康診断の時期が来た。
嘱託定年の65歳を過ぎてからは、1年更新だった労働契約書がなくなり、
そのかわりに、誕生日の1、2ヶ月前に、この「健康診断の案内」が届く
ようになった。
目、歯、脚と、確かに老化は進んでいる。
しかし、私も、いまのところ、健康に不安はない。
会社は、もう1年、働いてほしいとのことだ。
もう1年働くと、私は68歳になる。
60歳になったとき、「60歳とは、こんなものか」と
そのあっけなさに驚いたが、年々その驚きはなくなり
妻がいうように、人並みに、そう若くもないことに気づいている。
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