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2012年03月13日23:51

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■忘れてるでしょう

●3月13日(火)  晴れ

 ▼きのう出掛けに、
  「あんた、手袋は? 忘れてない?」と聞かれたが、
  「大丈夫。要らない」と答えた。
  玄関を出て、階段を4、5段歩んで
  すぐ、しまったと思った。

  一旦は木綿にしたが、1週間前から、
  またラクダのパッチにもどした。
  だから、それで大丈夫と思ったが、
  手がかじかむくらい冷えている。

  午後からは、もっと寒くなり、
  山の方には雪が降り始めた。

 ▼きょうも冷える。
  忘れないように手袋をした。

   ・・・・

  そんな昨晩のこと。
  床に就いて、布団から出ている首と
  肩のあいだに、わずかな隙間ができて、
  それがちょっと寒いなーと思いつつ寝ていた。

  そしたら、首から肩にかかっている部分の布団の端を
  軽く、トントンと叩いて、隙間をふさいでくれる手が
  あった。

  まだ起きている妻だろうと思って寝ていた。
  うとうとしていたら、鼻歌みたいな、独り言みたいな声が
  耳元でする。

  何を言っているのか、聞き取ろうとするが
  よくわからない。
  「数独」をやりながら、となりの部屋で
  妻が言っているようにも聞こえる。

  私は内心、うるさいナーと思う。
  声には出さず、寝返りを打って、
  眠ろうとするが、また、首のまわりに
  隙間ができて、寒いので、じっとしている。

  自分の手を伸ばして、直せばいいのだが、
  無精な私は、それをしない。

  すると、また、すぐそばで
  私の布団の肩口をトン、トンと叩いて
  隙間を直してくれる手がある。

  眠っている私は、当然、目をつぶっているのであるが、
  ぼんやりと、その顔が見える。
  「兄さん、私のこともう忘れてしまっているでしょう」と、
  悪戯っぽく、笑って妹が立っていて、
  そーっと次の部屋に去ってしまった。

 ▼今朝、妻にその話をしたら、
  「へぇ、そんな夢みたの? わたしが寝るとき、
   布団なおしてあげたけど・・・」
  と、笑った。

  まあ、夢でもなければ、確かに
  もう妹を思い出したりすることはめったにない。

  この寒さで、そんな夢をみたのだろうが、
  妹のしそうな悪戯だった。


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