●4月8日(金) 雨
▼先々週の土曜日の真夜中、私の勤務するマンションの
8階の部屋から、階下の7階の真下の部屋に
漏水するという事故が起きた。
7階の部屋で天井から水漏れするまで
上の階でも、下の階でも
水漏れが起きているとは
誰も気づいていなかった。
「8階の床下のコンクリートに
水はプールのように溜まっていた・・」
▼その夜、現場に呼び出された警備員が、
月曜日、出勤した私に「経過および事故報告書」を
渡しながら、そう云った。
コンクリートの床下に溜まった水は
一旦、水の通り道ができると、
豪雨のよう降って来た。
被害は居間、寝室、書斎の3室に及び、
あっと言う間に、ザザ漏れに漏れて、
壁を伝い、鴨居を伝い、そこらじゅう
雨漏りの部屋のようになった。
溜まった水が
なくなるまで、
漏水は続いた。
▼上の階の羽目板をはずし、調べてみると
台所の排水管(縦管)が、他の雑排水管(横管)と接合する
その継ぎ手の部分につなぎの不良があり、
そこから漏れ出たものであった。
これは専用部分で起きた出来事で、
上の階の過失による下の階の被害である。
もし「弁償問題」が発生すれば、それは
当事者間で解決すべき問題であった。
▼警備員から、その後の対応を引き継いで
私の仕事が始まった。
当管理組合では、「マンション総合保険」に加入しており、
「個人賠償責任保険」特約を付けている。
その特約の条項で、この事故が保険適用の対象になるか、
保険代理店とのやりとりが必要になった。
・・・・・
▼いま、損害保険業界は大わらわである。
損害の査定をする調査員のほとんどは
東北に行っている。
しかし、水濡れ被害にあった部屋では、
濡れた天井・押し入れ・畳、布団、剥がれた壁紙
浮いてきた床、それらは
すぐにも改修せねばならない。
その工事の見積もりと発注、
工事費用は誰が支払うのか・・。
基本は、賠償責任を負っている上の部屋の当人である。
▼上の階も、下の階も
昼間は共働きで、家にいない。
休みをとってでも、解決すべき問題だ。
管理組合の出来ることは、
管理組合が契約している「保険」の
部分のみであるが、そういう訳にもいかない。
・・・・・
▼そんな出来事があり、それと年度末決算が重なり、
平成22年度の決算報告書の作成や、それを受けての
総会議案書の作成、しかも、内部監査と
管理組合監事による監査と、仕事は二重三重に重なった。
▼今朝、保険会社に提出した沢山の写真類や、現場にかけつけた
警備員の現任書、建設会社の修復見積書・・などによる
査定結果が知らされた。
家財の一部で、使用年数分の減額があったが
ほぼ損害金額の全額、約250万円が補償されることになった。
・・・・・
▼内部監査は、本社から二人来て、
昼からはじめて、約2時間の残業になった。
「きっちり管理されてますね」
そう言って、監査承認書類に私のハンコを押して
きょうの内部監査は終わった。
月曜日、こんどは管理組合の監事さんに回す。
・・・・・
▼ちょっと疲れて、帰宅途中
焼き肉の「まるちゃん」に寄る。
帰宅して、9時のNHKニュースを
途中から見る。
報道の在り方にも
いろいろ批判があったこと、
そして事態はまだまだ
続くこと、
ニュースキャスターの顔が
きょうは、ひきしまっていた。
そして、自分の気持ちも口にした。
▼見ながら、震災に関係なく、
これまであった
わが家のいろいろな出来事のことを
思い出した。
どこをどう越えてきたか、
いまでは、ぼうっとして
よく思い出せない。
それでも、
それらのことに出あって
少し身についたのは、
胆がすわることであった。
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