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2011年02月20日00:14

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【散策】 河津桜と伊豆急の旅

今週は体調のすぐれない1週間であったが、休日家にこもっていると却って良くないので、ふと思い立ち、暖かい伊豆に行くことしした。ちょうど河津の桜が見頃なはずだと思い、目的地を伊豆河津に決めて出発した。

まずは向ヶ丘遊園から小田急ロマンスカー「はこね1号」で小田原に向かうことにする。向ヶ丘遊園に停車する数少ないロマンスカーだが、休日の朝に小田原方面に行くのに重宝している。やってきたのはHiSEである。見慣れた風景を眺めつつ小田原に着いて、JRの乗り場に向かうと、ちょうどいいタイミングで特急「踊り子101号」伊豆急下田行きが来るので、河津までの乗車券と自由席特急券を購入してホームで待つ。意外と混んでいたが、山側の席が空いていたのでそこに座った。本当は海側の方が眺めがいいのだが仕方ない。朝からどんよりと曇っていたが、小田原を出ると太陽が出てきて、根府川駅あたりで見える海がまぶしい。熱海からは伊東線に入り、来宮にも停車する。伊東線は単線なので交換待ちのための停車もあって、こまごまと停まっていく。伊東からは伊豆急行の線路になるが、JR伊東線と1本の路線のようになっていて意識しないで乗っている人の方が多いだろう。伊豆稲取は温泉地であり、ここで結構下車客があった。次の停車駅が河津だが、ここでも予想通り大勢の客が降りた。改札口が狭いので渋滞している。今日は同じ目的の客が多いようだ。小田原からは乗車券を買って乗ったが、伊豆急でもSuicaが使えるようになったのを忘れていた。

河津駅を降りると、駅前にも人出が多い。今日あたりが河津桜見物のピークなのだろうか。しかし、空いているからといって、肝心の桜が咲いていない時期に来てもつまらないし、それは仕方ない。桜並木は河津川沿いにあるのだが、そこに至る道には花見客相手のお店が並ぶ。ここで立ち止まっては「花より団子」になってしまうので、真っ直ぐに桜を目指して歩く。人は確かに多いが歩けないほどではないし、ゆっくりと歩きながら「花見」をしよう。

駅前にある説明看板によれば、「河津桜」は「緋寒桜」と「早咲きの大島桜」の自然交配種であるという。2月のこの時期に咲く、日本でも最も早く咲く桜であり、しかもパッと咲いてパッと散るのではなく、1ヶ月くらい咲いているのである。川沿いの桜を眺めつつゆっくりと歩いていくが、お店も多く、「桜もち」、「桜まんじゅう」、「桜羊羹」、「桜せんべい」等々、桜にちなんだお菓子があちこちで売られている。特に「桜まんじゅう」が目立つが、どのお店も「ここだけで売っている。他の店とは違う」と言っている。折角だからいくつか試食させてもらったが、同じ「桜まんじゅう」という名前でも、それぞれ工夫を凝らしてオリジナリティを追及しているのが面白い。山葵漬や富士宮焼きそばなど静岡県内の他地域の名産も売っている。おっと、食べ物の話ばかりになってしまう。今日は「団子より桜」のつもりで来たのだった。

桜は一部まだ満開になっていない木もあるけれど、ほぼ満開に近いようで、河畔が桜色に染まっている。ただし、お店の並ぶ伊豆急の線路付近から来宮橋あたりよりも、お店も少ない豊泉橋を超えたあたりの方がきれいである。20〜30分歩いたあたりがきれいなのである。「どうせ先に行っても同じだろう」と、近いところだけ見て引き返さない方がよい。このあたりは夜にはライトアップするらしい。

豊泉橋のところまで戻り、川を離れて北側に向かう。少し行くと河津桜原木があるのである。それを見ないわけには行かないだろう。個人の住宅の庭にあるが、それがまさに河津桜の原木であり、もちろんきれいに咲いていた。飯田勝美さんという方(故人)が、昭和30年に河津川沿いで芽吹いたばかりの苗木を発見し現在の場所に定植したのが、のちに全国的に有名になる「河津桜」の起源であるという。裏道(?)を通って川沿いの道に戻る。途中の、川沿いの並木から離れてポツンとある桜もきれいに咲いていた。ゆっくりと駅に戻ると、先ほどよりも人が増えたようだ。駅に着くと同時に正午の合図が鳴り、昼食を取ろうと思うが、駅周辺にある店はざっと見渡したところどこも満員なので、伊豆急で移動することにした。

駅の発車案内を見ると、11:58発の熱海行きが遅れているらしく、そのおかげでちょうど乗ることが出来た。温泉街のある伊豆稲取ならば食事をする店くらいあるだろうと、2つ目の伊豆稲取まで乗ることにした。来た時はあまり気付かなかったが、次の今井浜海岸駅前に咲いている桜もきれいである。次の伊豆稲取で下車する。稲取といえば金目鯛ということになるが、駅前にも金目鯛の像があり面白い。どの店に入っても金目鯛は食べられそうだが、手頃そうな駅近くの食堂に入り、金目鯛ちらし丼を食べた。1,980円である。食事のあとは、海の方まで歩いてみることにする。海はすぐ近くである。

さて、稲取は金目鯛だけの町ではなく、もう一つ「つるし雛発祥の地」というのがある。桃の節句の雛段の両側に端切れで作った小さなぬいぐるみをつるす風習で、稲取では江戸時代から始まったと伝えられている。百十個の「桃飾り」にはそれぞれ意味が込められており、女の子の健やかな成長を願う親心が込められているのである。町内に何箇所か小さな「つるし雛博物館」のようなものがあり、そのうちの一つである「なぶらとと」に入ってみる。表は金目鯛(!)の食堂、裏が「つるし雛の館」となっている。一つ一つの飾りの意味を見ながら見ていくと、なかなか興味深い。外に出ると神社の鳥居が見えた。旅先で小さな神社を見ると寄ってみたくなる。三嶋神社といい、大山祇命と事代主命を祀っている。大漁を恵む神であるという。駅に戻り、再び伊豆急に乗車する。

ちょうど熱海行きが来るのでそれに乗車した。折角伊豆に来たのだから、もう1駅くらいどこかで降りようと思い、2つ目の伊豆熱川で下車した。駅を出るといかにも温泉街の入口という雰囲気で、旅館の迎えが並び、あちこちから湯気が噴き出している。

この駅で降りようと思ったのは温泉ではなく、駅の裏側にある「熱川バナナワニ園」である。ここに入ってみることにして、線路をくぐって裏側に出る。バナナワニ園は、熱帯植物9000種の植物園と保有種世界一を誇るワニ園であり、本園が「植物園」と「ワニ園」、分園が「熱帯果樹園」と結構な規模である。入場券(1,300円)を買って、まずは植物園から入ることにする。温室に入るとそこは熱帯の世界だ。高温高湿の環境は、2月の外の気候とは別世界で、厚着をしていると汗が出てくる。熱帯の植物は美しいものが多い。鬱蒼としたジャングルを思わせる花木、きれいな原種ラン、熱帯性スイレンなど、こういうものは見ているだけで楽しい。植物園のあとは、道路をはさんで反対側にあるワニ園へ。大小さまざまなワニが飼育されており、どこかユーモラスなところもあるワニ達と遊んだ(?)あとは分園へ行く。分園へは無料のマイクロバスで連絡している。分園はバナナやパパイヤなどの熱帯果樹がメインで、なぜかレッサーパンダやフラミンゴやゾウガメまでいる。熱帯の雰囲気を堪能して、マイクロバスで本園に戻り、歩いて駅に戻る。バナナワニ園側にも駅の入口があることに帰りに気付いた。バナナワニ園が目的ならば温泉街と反対側に出ればよかったのだ。

今日は伊豆急の電車は、ずっと5〜10分くらい遅れているようだ。次の15:39発熱海行きも10分遅れて来るという。今日乗った伊豆急の電車は元東急の車両ばかりだったが、最後に乗ったのは「黒船電車」だった。やはりこっちの方がいい。やや混雑しているが、伊豆熱川でかなりの下車客があり、席に座ることが出来た。このまま熱海まで乗っていき、東海道線で小田原へ。帰りの小田急もロマンスカーで、EXEの「さがみ90号」に町田まで乗って帰った。
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