●9月11日(土) 晴れ
▼「午後三時」と書いたのは、きのうのことだ。
ベランダから外を見ていると、黒アゲハがひらひら
飛んできた。
妻が職場の送別会でもらってきた
のどごし<生>という発泡酒を、空を見ながら
飲んだ。
雲はゆっくり南に流れていった。
午後三時、この時刻になると
私は一日を感じる。
冬の日も夏の日も、
春も秋も、太陽の高さに関係なく
陽は傾き、明るさのなかに翳りが始まる。
▼水曜日は年休で家にいた。
学校から帰り、シヨウが遅れている今月のお小遣いをもらいにきた。
この子が幼かったころ、「じいちゃん、死んで!」と言われ、
私は幾度、ウルトラマン・ビームで死んだことか。
そんなことは、もう忘れているだろう。
妻が作ったお土産の袋を提げて、
にっこり笑って「ありがとう」と言って
帰っていった。
▼「午後三時」と書いて、ベランダに出て、
逝く夏を惜しむ。
そして、きょうも
今は水色の空に、茜さす白い雲が浮かんでいる。
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