●8月2日(月) 晴れ
▼耳に遠く聞こえるのは空耳だろうか。
まだ陽が射してわずかの
静かな朝。
じーっと耳奥でセミが鳴いている。
きのう洪水のように鳴いていたセミの
残響のようにも聞こえる。
椿谷公園を登り、横尾山の方から聞こえる。
目を閉じたまま、ぼんやりと
セミの声を聞く。
▼先月、「おくのほそ道」を泥縄に読み、
松島・平泉・奥入瀬に行った。
ずっと以前、松島と瑞巌寺に寄ったとき
五大堂の回廊の板が破れていたことを思い出して、
堂の裏手にまわり、ぐるっとひと廻りした。
曽良の「随行日記」によれば、
松島を五月十日(陽暦六月二十六日)に発ち、
十三日に平泉を訪れている。
五月雨の降り残してや光堂
雨に降られず、蒸し暑い日だったが、夏木立のなかに
今はからっぽの覆堂があった。
十和田湖畔に一拍。
和井内貞行とヒメマスの話を小学校の国語で
習ったことを思い出した。
奥入瀬川の渓流は、ブナやナラの木々の緑が
まぶしかった。
▼朝礼では、毎朝、熱中症対策の話がある。
連日、猛暑が続く。
帰り、西日を浴びる。
「喫茶店」に逃げ込む。
出ると、陽は傾きビルの影ができる。
真夏のように思っているが、
その日の傾きが、すこしずつ
早くなっている。
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