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2010年07月25日19:07

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■遠い夏の日

●7月25日(日)  晴れ

 ▼炎天下という言葉を思い出した。
  昼休み、喫茶店を出て交差点で信号待ちをする。

  私は、いつもここで
  何かを思うようだ。


       遠い太陽のように   野田宇太郎

     想いはときに昼間のような
     明るさの中に私を佇(たたず)ませる

     私の影は菫色(すみれいろ)に細長く
     寒い風に竪琴のように慄(ふる)えて鳴る
     しかし日向に面した片側で
     私は言葉もなく幸福を捕らえている

     危い地球のように
     私の若い命が仄(ほの)かな光の中で廻っている
     廻りながら月日をかぞえ
     むなしく昼と夜とを染め分けている

     こんな時私の言葉が哀しいのは
     たったひとつの太陽があまりに遠くあるからだ


 ▼灼熱の太陽に焼かれながら、思い出したのは
  野田宇太郎の詩だった。

  この熱気の中で、どうして
  「私の影は菫色に細長く
   寒い風に竪琴のように慄えて鳴る」
  のだろう。


  いま読むと、若い詩人の鼓動が聞こえてくるようだ。
  
  それは「遠い夏の日」にも似ているような感じだった。


     
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