●６月２１日(月) 曇り
▼メモ
・雨は降りそうで降らず、一日もった。
・「理事会だより」が遅れている。
いつもは翌日には発行するのに、先週火曜日開催の
「理事会だより」がまだ出せない。それだけ、仕事が
立て混んでいるということ。あわてない。
・きょうは健康診断の日。朝、直接、兵庫県健康財団に向かう。
建物が新しく設備も「企業向け健康診断センター」に特化している。
9:30組になっているので、９時に着いたが９時半まで待たされた。
帰り、セットで付いている「朝食券」をもって施設近くの喫茶店で
無料の「モーニング・サービス」を食べて来た。
▼最近は、１日遅れの「日記」を書いているが、きのうは
きょうの健康診断のため、夜の９時から何も飲食してはいけない、
ということで、「梁塵秘抄」のことなど、ちょっと書き始めて、
腹が減ってきたり、コーヒーやアルコールが欲しくなったりして
中断して寝た。
「日記」は「メモ」を書くために、このごろは書いてるようなものだ。
「メモ」欄だけでは愛想ないかな、と思ったりして、余分なことを書こうとすると、
人に分かるように書かねば・・・、とつまらん事を思ったりする。
▼きのうの「日記」は、メモのほか「梁塵秘抄」のことを書こうと思って、
タイトルを「予約」から「梁塵秘抄(1)」に変更したが、まだ書き終えてないので、
「非公開」のままである。
そして、きのうの「日記」より先に、きょうの「日記」を書いている。
▼理論社から「よりみちパン！セ」のシリーズが発刊されているのは
知っているが、まだ手にしたことはなかった。
それが、おとといだったか下まで降りたとき、本屋でたまたま置いてあった
西原理恵子『この世でいちばん大事な「カネ」の話』に目が止まる。
シリーズ第�拘�の一冊である。「よりみちパン！セ」は、もうすでに第�佐�に
入っており、西原理恵子のこの「本」は２００８年１２月１０日が初版第１刷で、
今年５月１０日には初版第２１刷となっている。
▼むかし、「ちくま少年図書館」というシリーズが筑摩書房から発刊された。
私は、このシリーズを大人になってから読んだ。読んだ事情については、
ずっと前の「日記」に何回か書いていると思う。
高史明『生きることの意味』
鎌田慧『ぼくが世の中に学んだこと』
鶴見俊輔『ひとが生まれる』
松田道弘『トランプのたのしみ』
秦恒平『日本史との出会い』
藤森栄一『心の灯 考古学への情熱』
ずいぶん世話になった。
▼総じて、分かっているようで分かっていない大人が、自分の知識を売り物に
して、よく分かってない大人を相手に、ペテンにかけたり、うらやましがらせたり
するために書く話より、「こども向け」に、事の真実について、自分の本当に
知っている話をすることの方が、どれだけ困難なことであろう、と思う。
それは、理解力の乏しい年少者を「啓蒙」することが、「難しい」という
ことではない。
そうではなく、語り手・著者自身が、自分の「蒙を啓(ひら)く」ことが、
なかなか「難しい」、ということである。
▼しかし、一方で、これは情熱の沸く仕事でもある。
子どたちに向かって、大人向けの「本」にはない、真実を述べようと云う
有意義な仕事だ。
子ども相手だから、正直に話せることもある。
大人なんか相手にする必要はない。
▼いずれにしても、「ちくま少年図書館」も、「よりみちパン！セ」も、
そのような出版・企画の意図があるようなシリーズだ。
しかし、二つの企画の間には、約４０年ほどの時間の経過があり、
筑摩のシリーズは、きわめて「実践的」であることを目指していたと思うが、
いま「よりみちパン！セ」と比べると、実に古色蒼然、「教養的」に見えてしまう。
時代は、それだけ過酷になったと云うことだろう。
「ちくま少年図書館」の第１冊目は、松田道雄『恋愛なんかやめておけ』に対し、
「よりみちパン！セ」の中には、『恋と股間』、『だれでも一度は処女だった』、
『ひとはみな、ハダカになる』まで用意されている。
▼さて、西原理恵子『この世でいちばん大事な「カネ」の話』であるが、
車谷長吉『銭金の話』同様、まずタイトルがすっきりしてていい。
第１章 どん底で息をし、どん底で眠っていた。
「カネ」がないって、つまりは そういうことだった。
・・・生まれる場所を、人は選ぶことができない。
だとしたら、ねえ、どう思う？
人って、生まれた環境を乗り越えることって、
本当にできるんだろうか。
第２章 自分で「カネ」を稼ぐということは、自由を手に
入れるということだった。
・・・「最下位」の人間に、勝ち目なんてないって思う？
でもね、「最下位」の人間には「最下位」の
戦い方ってもんがあるんだよ。
第３章 ギャンブル、為替、そして借金。
「カネ」を失うことで見えてくるもの。
・・・あぶくみたいに、あっという間に消える「カネ」。
ただの情報・架空のデータみたいに思える「カネ」。
世の中には、汗水たらして働いた手で直接つかむ以外にも、
いろんな種類の「カネ」があった。
第４章 自分探しの迷路は、「カネ」という視点をもてば
ぶっちぎれる。
・・・自分は何に向いているのか。自分はいったい何がしたいのか。
深い迷いで身動きできなくなっているキミを、
「カネ」が外の世界へと案内してくれる。
第５章 外に出て行くこと。
「カネ」の向こう側へ行こうとすること。
・・・人が人であること。人であることをやめないこと。
貧しさの負のループを越えた向こう側に、
人は行くことができるんだろうか。
▼「目次」を読むだけで、本書が「良書」であることが分かる。
「儲け話」や「貧乏話」をする大人はいる。
また、「カネより愛情が大事」と子供に教える大人もいる。
しかし、「カネ」の話は「生きる」話だ、ということを
自分の生きて来た道を振り返り、そして今・現在の「カネ」の思いを、
語れる大人は少ない。
・・・
きょう、妻がまだ家にいるとき、サイコとチカが来たと言う。
私は、まだ第２章の途中までしか読んでいないが、もし読み終わったら、
「大貧乏」のムスメ一家の、この母子にも、一読を薦めてみようと思う。
読むか、読まぬか、知らないが、
もし読んだら、どんなことを考えるだろうか・・・。
ログインしてコメントを確認・投稿する