■将来の仕事
●きのうは、アキラの定休日でショウをつれてやってきた。
アキラはムスメの旦那で、ショウはその子供で、私の孫。
日曜日が中学校の父親参観日で、きのう月曜日はその振り替えで
ショウは休み。
アキラの方は、スーパー関係の商品納入・運搬のトラック輸送の
仕事をしている。日、月、が定休日で休みだ。
いつもは、アキラとショウだけでなく、チカ、アツシ、ムスメの
家族全員5人で、夜にやってくることが多いが、月曜日の
午前中の学校がある日なので、中二のショウだけが、学校が休み
ということで、父親の車に同伴して、我が家に来たのだ。
●妻は、共同購入で買った特売の食料品や、子供が喜びそうな
お菓子をためておいて、ときどき、それをムスメ一家が我が家に
取りに来る。
ムスメのところから我が家まで、車で15分から20分くらいで
来られるのだが、アキラの機嫌のいいときにしか来れない。
仕事でしんどいときは、アキラは家にもどったら、もう動こうと
しない。再度、車を運転して我が家に来るということが
面倒くさい。それは、確かに面倒だとは思うが、そのほかに
アキラに二の足を踏ませるのは、「いつも、妻の実家から
食料品やお菓子の援助を受けている」という意識が、そうさせる
のだと思う。
私がアキラの立場だったら、そんな気持ちになるだろうと思って
アキラもそうであろうと推察する。
●しかし、私なら自分が少ししんどく、またそんな気持ちになっても
女房の実家から、食料品とお菓子を取りにくるようにとの
電話があれば、一応は「ありがとう」といって、自分の二の足を
踏むような気持ちを抑えて行くだろう。
アキラはその点、まったく自分本位で、自分がその気になった
ときしか来ない。また、ほとんど一人で我が家に来ることは
なく、大体が家族全員で来る。
●そんなことで、きのうはショウを連れてやってきた。
横暴で、子供みたいなところのあるアキラであるが、中二に
なってもショウは父親を嫌う風がない。
「うちで一番わがままは、あいつ、オヤジや」とショウは
自分の父親を正確に評価し、しかも、父親との付き合い方を心得て
いて、父親を煙たがったり、避けたり、嫌ったりすることがない。
そのようなのが「自分の父親」だと納得している。
また、ほかの父親と比較することもなさそうである。
きっと、それには、「わがまま」と子供に評されるような
オヤジではあっても、アキラには、間違いなく「ショウの父親」
という、わが子に対する独自の「愛情の降り注ぎ方」がある
のだろう。
そして、その愛情については、ショウもアキラを疑ったことが
ないのに違いない。
あんなに父を嫌い、父から逃げ出そうといていた自分と比較し
ながら、そう思う。
●アキラは機嫌がよいのか、「まぁ、あがって・・」という
こちらの言葉に素直に応じて、居間に来る。
妻とも、私とも、最近あったことをしゃべる。
ショウは勝手に冷蔵庫をあけて、自分の飲み物を探したり
している。
日曜日の折込の求人広告のビラが、そばにあった。
アキラはそれに目を通し、ショウに言う。
「佐川急便 一般ドライバー 321,000円
ステップアップ セールスドライバー 385,000円」
「セールスドライバーって なに?」
「自分でお得意さん、見つけてくるンや。
7:30−16:30 ?
これやったら、まあ、6時半には仕事始まるナ」
「ふーん!」
●私が買ってやった、村上龍「
13歳のハローワーク」には
ちっとも関心を示さないが、父親の話には耳を傾けるようだ。
私は、大学を卒業する段になっても、将来の仕事のイメージが
つかめなかった。
新聞の折り込みチラシを一緒に見ながら、オヤジの話、オヤジの
仕事を見て、ショウはどんな将来の仕事のイメージを作って
いるのだろう。
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