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2009年12月27日21:36

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■かなだらい

●12月27日(日) 晴れ

 今年の12月は暖かい冬のようだが、それでも
 中旬から急に冷え込んだりした。

 朝、出勤のとき椿谷公園で甲高く鋭い声でさえずり
 林の中を飛び渡っていく鳥がいる。
 姿が見えないないが、声からするとやや大ぶりの小鳥のようだ。
 晴れた寒い朝日の中で、空に響くその清んだ鳴き声が心地いい。

 妙法寺駅のプラットホームに並ぶと、
 目にほんのりと涙が出ている。
 洟もすこし出ているようだ。


 わが家の洗面台の蛇口の左右に、青と赤のカランがある。
 右の青いカランをひねると水が出る。左の赤のカランはお湯が出る。
 私はついつい習慣で右のカランをひねる。
 一瞬、跳びあがるように冷たく思う。が、一気に顔を洗う。
 
 妻が「お湯が出るでしょう」と言う。


 子供の頃、金盥(かなだらい)というのがあった。
 硫酸で処理した黄金色のアルマイトの洗面器だ。
 冬、金盥の水に沸騰した薬缶の湯をさして顔を洗ったことがある。
 いつもではなかった。
 母が湯を注いでくれたのか。
 立ち上る湯気が顔をおおい、生温かい湯の感触が
 手指にジーンと伝わってくる。

 「洗濯桶を金盥って言ってたんじゃないの」と妻が言う。
 学生時代、寮の卒業する先輩が、洗濯板とブリキ製の洗濯用の盥を
 譲ってくれた。あれも、確か「かなだらい」と言っていたような気がする。

 平べったいのが「たらい」で、筒状に見えるのが「おけ」なのかと思って調べたら、
 「手洗い」がつまって「たらい」になったとか。


 左の湯のカランをひねりながら
 数日か前に妻とそんなことを話したことを思う。



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