■『狂人日記』 (10)
●7月25日(土) 梅雨みたいな天気
きのうは「こみ」さんに会って、それから
大阪に出て、次男夫婦と食事をし、ホノカに会った。
きょうは博多の長男のところにも電話を入れたので、
この三連休の用事は全部済んで、あともう一日
休みが残っているという状況の、今晩、只今である。
●ホノカは、私の四番目の孫であるが、生まれて間もなく、
まだ母子ともに産院にいて、そこで初対面したときから
この子は、女の子であるが、「豪胆な子」だと思った。
「千絵蔵」さんの写真から無断借用
●女の子に対して、「豪胆」などという言葉が果たして
褒め言葉になるのか、そんなことも考えず、言ってしまった。
今年になって、正月とそれから後にもう一回、我が家に次男夫婦が
来たときに、ホノカには会っているはずだ。
十月が来ると満二歳になるが、これくらいの年齢のころ
前に会った記憶というものが残っているものやら、忘れてしまうものやら
それは分からないのだけれど、この子は会えば、すぐ私と遊ぶ。
ほかの三人の孫とも、そうやって遊んで来た。
自分の子に対しては、いまのようには遊んではいない。
子に対する親みたいな気持が自分にあって、どこか
しつけるなり、教育するなりの姿勢があった。
●孫の場合は、それがない。
もっと自然に、フランクに、ニュートラルにつき合える。
そして見ていると、言葉が話せなくとも
随分、いろんなことを、こんな小さな子供がしゃべっていることに
気づく。
幸いなことに、私はまだホノカに嫌われている風はなく
いっしょに遊んでくれる。
そして、いっしょに遊んでいると、なんとなく
その子の気質、性向みたいなものが見えてくるような気がする。
その子のもつ「自分」というのが、すでにあることに気づく。
写真に撮られたホノカを見ても、やっぱり
この子は「豪胆」だと思う。
けっこう、ワルを楽しんだりする気風の子供であるように
思い、私はそれが気に入っている。
●ところで、色川武大『狂人日記』のことだけど、
もう二日も前に書いた部分があるのだが、
けれど、きょうもまた「未公開」の保存状態になっている。
ならば、タイトルをいっそ、その日の日記に合うようなものに改めたら
よさそうなものだが、
気分はまだ『狂人日記』であり、この日記もその一部のような気がしている。
それで、しばらく『狂人日記』は続くと思う。
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