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2009年07月21日22:51

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●うみうし独語(414)/■『狂人日記』 (6)

■『狂人日記』 (6)

 ●7月21日(火)  朝、土砂降り  昼から降ったりやんだり

  5分か10分待てばやむこともこともある。
  しかし、今朝の土砂降りはそんな雨ではなかった。

  8時前ごろから、あたりは夕闇のように暗くなり
  しばらくすると、誰かが二階で走っているような
  だだだだっ・・という音がして、
  大粒の雨が降り出した。 急いで窓をしめた。


  びしょ濡れになるナーと思いつつ、家を出た。
  二、三歩も歩かぬうちに、ズボンの裾が激しい雨のはね返しで濡れてくる。
  家のすぐ下の階段を下り、団地の出入り口に来るまでの間で、
  靴がびちゃびちゃになり、濡れたズボンが脚に纏わりつく。


 ●椿谷公園の階段は、水が小川になって段を下るように流れていた。
  その脇にある側溝は、どどどどっと鉄砲水のような激流が走っていた。

  階段の一番下、幼稚園の横の道に出るあたりは、
  流されてきた枯葉や小枝が行き場を失って、山のように積もり、
  会所をふさいでいた。
  飛び越そうにも越せない幅でプールのような 水たまりができていた。



 ●湊川公園駅からは、西に一本筋を変え、アーケードのある商店街の中を
  雨をさけて職場に向かった。


  茶色の皮の靴は、黒みがかった濃い小豆色に変わっていた。
  制服に着替えるため、靴を脱ぐと、脱いだ足の、じっとり濡れた靴下の足跡が
  カーペットについた。



  が、そのあと雨は、嘘のようにおさまり
  降ったりやんだりしたが、ほとんど降らなかった。
  ムシムシするばかりだった。




 ●こんな日の理事会は
  早く終わっても疲れる。


  更衣室で、帰るために、しっとりと濡れた靴に履き直し、
  ロッカーの中に雫がたれなかいかと心配したズボンをさわってみた。
  まだ、膝近くまで、搾りの悪い雑巾くらいに濡れていて
  雨に打たれてもいないのに、ふくらはぎや弁慶の泣き所など
  脚のあちこちに、ペタペタとくっついた。


  家に着くのは十時をまわるだろうか。



  
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