カッパドキアに着いた頃はまだ日も暮れていませんでした。
カッパドキアには洞窟ホテルに2泊します。カッパドキアと言えば洞窟ホテル。奇岩で有名なカッパドキアには、洞窟を掘って部屋にしたホテルがたくさんあるそうです。
そもそもカッパドキアでは、イスラムの弾圧から逃れたキリスト教徒が洞窟に隠れ住んだということです。しかし、古代ギリシアの時代から、危険が迫った時のために地下に住まいを作る習慣があったということです。そしていつしかそれが広大な地下都市になっていきました。ここの地盤は柔らかい凝灰岩で、掘りやすかったのです。
そのため、現代にいたるまで崖に洞窟を掘って住居にする習慣は続きました。どうやら建材を使って建物を建てるより、洞窟を掘った方が簡単だったからではないかと…。
そうして近年ではそういった住居のある崖一帯をごっそり買い取ってホテルにするのが流行っているということです。なのでホテルの部屋はもともと本当に住居だった洞窟で、一つ一つ形が違います。しかも新しく掘ったり形を整えたりすることはなく、本当に使っていたものを活用しているのです。壁も崖を掘ったものなので、服が汚れるかもしれないのでもたれないでください。
ホテルの入り口までバスが入れないので、手前で降ります。民家の並ぶ通りを歩いて行きますと、視界が開けました。崖の上に来たのです。下を見ると、崖の上から下の方まで部屋の入り口が並んでいるのが見えます。入り口の前方は平らにならしてあって、通路のようにになっています。中腹のあたりのテラスのようになっている所にテーブルと椅子が並んでいます。レストランだそうです。
そこを回ると小さな入り口がありました。ホテルの鍵は丸い木の札が付いています。オートロックではありません。部屋は造りがバラバラなのでくじ引きです。鍵をもらうと、入り口の反対側から外に出るようになっていて、そこから階段があって降りて行きます。かなり下の方まであるようですが、途中の部屋の人もいれば、ずっと降りて行かないといけない部屋もあります。くじ引きは部屋の造りというより、どれだけ階段を降りるか、で不満が出ないようにする役割があったのかも…。
私の部屋は中ほどでした。上から見たレストランのテラスの近くです。扉は木でできていました。扉の両側に窓があります。鍵を回してなかに入りますと…
何これーーーーー!!!
奥までずーっと部屋が続いています。
まず、入ったところは応接室のようにソファとテーブルが並んでいます。壁には暖炉があります。そこから一段下がって、両側に柱があるアーチを通ると、壁際にキャビネットがあって、ポットやコップが置いてあり、ドアの中には冷蔵庫。反対側の壁はクローゼット。
そこからさらに奥へ行くとダブルベッドがあります。ベッドの上方には豪華な装飾。
ベッドの奥は両側に太い柱があって、アーチになっていて、そこを通ったら…。
バスタブがどーん!
広ーい部屋の中央が長方形のひざぐらいの高さの台になっていて、その台の中にでっかいオーバル型のバスタブがしつらえられているのです。しかも長方形の台の四隅に柱とアーチ。
なんや、これーーーーーーーーーーー!
あまりの豪華さにビックリ。
そしてバスタブの両側が洗面台になっています。
さらに、その奥にはシャワースペースがあって、左右の壁にシャワーが一つずつ。
床は大理石のようにツルツルです。
洞窟ってもっと素朴なものだと思ってた…。
柱にアーチとか、アカンサスっぽい葉っぱみたいな羽根みたいなモチーフのレリーフとか、洞窟というより古代ギリシャの遺跡ホテルか?という感じです。豪華すぎて想定外…。
ただ、洞窟なので窓は入り口の所だけ。エアコンもありません。少し暑いなと思いました。そうしたら、ベッドの横に大きな扇風機が置いてありました。業務用みたいな大きなものです。
また、入り口横のサイドテーブルに電話が置いてあって、古めかしいレトロな電話だなーと思ってよく見たら、ダイヤルに見えたものは、回すのではなくてプッシュするようになっていました。
部屋を一通り見て唖然とした後、外に出てみました。ドアの外はテラスのようになっていて、レストランに続いています。外の席もありますが、中もあります。
そうしたら…いました!猫ちゃん。それも何匹か。
ここは高さもあり、ながめもいいです。下の方に家並みが見えます。少し向こうにミナレットが見えるので、モスクがあるようです。
周辺の階段を上ったり下りたりしてみましたが、どうも複雑で把握できません。部屋がある所は、ドアの前方が大小ありますがだいたいテラスのようになっています。そこによくイスとテーブルが置いてあったりします。自分の部屋の場所を覚えるのがやっとです。ずっと下まで降りてみたら、壁にドアがあって鍵がかかっていました。ホテルはここまで、ということですね。
夕食はホテルのレストランです。
この日のメインはなすの肉詰め。なすに肉を詰める…?と思ったら、ものすごい大きいナスに肉が盛り上げられていました。
食べているときに、足の周りを何やら動くものが。テーブルの下を猫が歩いていたのです。
この後だったか翌日だったか…。
添乗員さんとガイドさんにテラスのテーブルに呼び出されました。そして「どうしてもスレイマン・モスクに行きたいですか?」と再度問い詰められました。いえその、自由時間だというから、歴史が好きだし、どこか行けないかなと思って…テオドシウスの城壁やルメリ・ヒサールも見てみたいけど地図からすると街の中心からは遠そうだし、スレイマン・モスクなら行けるかなと思ったんですが。
添乗員さん「え?どうしても行きたいんじゃないんですか?」
「どうしても」とは言っていません…それにアイワルクのホテルでこんこんと説得されたので、「あきらめます」って言ったじゃないですか。いやその「あきらめます」がいかにも往生際悪そうに聞こえたのかな…。
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