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2024年11月20日00:37

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国宝十一面観音めぐり(7)渡岸寺

最後の十一面観音は湖北で少し遠いです。
昼食のために時間を取る余裕がなかったのか、バスでお弁当とお茶が配られました。お弁当は柿の葉寿司とおかずを詰めたもの。おいしかったです。
バスは山科に入っていきました。路線バスが通っている道を進んでいき、やがて滋賀県に入りました。瀬田〜栗東あたりを進んでいきますと、左手に何やら見覚えのある山が。きれいな三角形の山です。そこで添乗員さんが「近江富士です。」と案内してくれました。そう、夏に美術館ツアーに行った時にここを通ったのです。本当は三上山と言うのですが、その形から「近江富士」と呼ばれているのです。

そのあたりまでは起きていたのですが、朝も早かったしバスに揺られているといつの間にか寝ていたようで、気が付いたら目的地が近づいていました。
いよいよ渡岸寺に着きました。「渡岸寺」というのはこのあたりの地名で、お寺の名前は「向源寺」と言います。
小さな橋を渡ると仁王門があり、そこをくぐると向こうの方に本堂が見えます。本堂に入り…「左の方へ行ってください」と言われます。左の方に廊下があって、そこを進んでいきますと、立派な収蔵庫がありました。そこに入ると十一面観音が出現!

まずはみんなで椅子に座ってお話を聞きます。
聖武天皇の頃、疱瘡が流行って死者が相次いだので、僧泰澄に命じて十一面観音を刻ませてお寺を作らせ祈祷をしました。
戦国時代になりますと、ここは浅井家の所領だったのですが、織田信長に攻められて落城します。お寺も戦災に遭いましたが、住職や地元の住民が十一面観音を土に埋めて守りました。
その後小さなお堂を作って、十一面観音を安置することになりました。それ以来地元の人々がこの十一面観音を守り伝えてきました。地元の人たちに大切にされている観音様なのです。

この十一面観音は他の像には見られない特徴があります。
頭上面がかなり大きく、横三面のうち一面ずつが耳の後ろにあります。また耳には大きな耳璫という丸い耳飾りを付けています。

ここではガラスケースもなく360度回って見ることができます。ゆっくり見て回ってお参りしてください。

ということで、念願だった渡岸寺の十一面観音を目の前にして、感動しながらゆっくりと360度回って見ていきました。右足を少し前に出して、腰をひねった優美な姿です。うしろにはちゃんと暴悪大笑面もあります。ひたすらため息をつきながら見とれます。

この像の横にも仏像がありました。珍しい胎蔵界大日如来です。大日如来像と言えば多くは智拳印を結んだ金剛界大日如来の形で作られることが多いです。しかしこれは定印を結んだ胎蔵界です。
それから阿弥陀如来。

収蔵庫は令和になって耐震性などを考慮して作られた新しいもの。
令和になって収蔵庫や宝物庫を作った、というのが多いですね。
聖林寺はかなり明るく、大きな像の細部がよく見えたのですが、こちらは暗めで、それがかえって幽玄な雰囲気に包まれ、十一面観音の静謐なたたずまいが心に沁みます。

すっかり堪能して収蔵庫を後にしました。本堂まで戻ってきましたが、そのまま外に出ます。
本堂には別の十一面観音が安置されているそうですが、現在はよその展示に貸し出し中。

拝観券売り場には写真が売っていました。いくつもあるので悩んでいたところ、窓口の方に冊子があるのが見えました。これがいい!と即買い。少し大きめの判型で、十一面観音の写真がいっぱいです。まるで写真集です。その写真集の中から1枚。

それから境内を散策していると、「御尊像埋伏之地」という石碑と石積みがありました。戦乱の時にここに埋められていたのですね。

これで国宝十一面観音7体見てきました。
駐車場に戻りますと、別のツアーのバスも止まっていました。これも国宝7観音を巡るツアーのようです。辰年でないと七つ見られませんから、今年はツアーラッシュなのかもしれません。

あとは帰るだけです。途中で大津SAに立ち寄りました。ここも美術館ツアーの時に寄りました。大阪に入ってきますと、少し道が混んできました。しかし渋滞と言うほどではなく、ほぼ時間通りに新大阪に到着しました。
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