京都文化博物館で開催中。
「日本史には興味ない」はずの私が新選組に興味を持って幾星霜…。
自称「世界史オタク」ですから、単なる寄り道、本格的に調べるつもりはない…程度のはずだったのに、なんだかずるずるとハマっていき、気が付いたらそれなりの年月が経っていました。
だもんで、こういう展覧会があると行ってしまうんですよね。
それが、思った以上に見ごたえのある展覧会でした。
といいますのは。
文献、一次資料の類がとても多い。
展覧会の副題にも「史料からの足跡」とあるように、文献から当時の状況を検証していくような内容でした。
となりますと、「歴オタ」の血が騒ぐんですよね。
面白い物語も好きですが、史料を紐解いて実際の歴史はどうだったのかを解明していく過程はものすごくワクワクするんです。
特に近藤勇、土方歳三、沖田総司といったビッグネームの人気者が実際に書いた書簡が多数展示されていて、そこから読み取れる事実を解説してあって、この人たちが単なる人気キャラクターではなく歴史上の人物なのだということが実感できました。
書簡は特に佐藤彦五郎つまり土方歳三の姉聟で、近藤勇と天然理心流の後援者でもあった人物に当てて送っているものが多く、故郷に自分たちの動向を知らせるような内容でその時々の新選組の歩みを知ることができます。
例えば沖田総司の書簡の中にさりげなく山南敬介が先月死去した、などという文言が紛れていて、ちゃんとそこの部分がわかるように展示物に添え書きしてあるとかいうのを見ますと、物語で散々描かれてきた場面が頭に浮かびつつも本当にあったことなんだ…というのが実感してしみじみ。
また土方歳三の愛用の刀、和泉守兼定が展示してありますが、近藤勇の手紙に中に、土方が和泉守兼定を持っていたことが書かれていて裏付けになっています。
それから、近藤勇のさらし首の絵は歴史番組でもたびたび見かけるものですが、その絵が描かれた瓦版が展示してあって、文章から全部見ることができました。さらにそれを元にして模写をしたものがあり、元の絵は近藤勇が賊軍だということもあってか情けない顔に描かれているのをきりりとした武士らしい顔に改められていたり、さらに首の部分だけ描かれた大きな絵があったり。
新選組には「新選組」「新撰組」両方の表記がありますが、今まででも私が見たところ「新選組」が妥当ではないかと思っていました。そうしたら「新選組」の文字の印鑑が押された文書があり、この文字で印鑑を作っていたということは、こちらが正式な表記だろうということでした。
他の文書を見ても「新選組」と書かれたものが多いのですが、隊士の書いた文字の中にも「新撰組」と書いたものも見られるので、表記の揺れとしてあり得るようです。
後は松平容保や孝明天皇関連の展示もあり、新選組とのかかわりが示されました。
その中でも「一会桑(一橋・会津・桑名)」勢力とのかかわりは、近年の研究で重要視されるようになったことだそうです。新選組は単に京都の警護さらには「不逞浪士の討伐」ばかりをやっていたのではなく一会桑と結びついた政治勢力でありその背景となる軍事力を担っていたということです。
こうしてみると、改めて新選組とは人気キャラクターの集まりではなくちゃんと史実の裏付けがあるものだということが実感できて、歴オタ心がくすぐられてしまいました。
なので、書簡だの日記だの文献が多い展覧会で、あまり派手さはなかったのですが、私的にはむしろその方が満足できてしまう、という結果になりました。
だもんで、悩みながら分厚い、高い図録を買ってしまいました。
ついでに、「幕末群像伝」という薄い冊子があって、新選組隊士が何人かいたのですが土方歳三のものも一緒に買ってしまいました。
そうしたら、この図録が展示品同様実にしっかりしたもので、展示されている文献の内容が詳しく説明され、一部は文章を書き起こしたものまで掲載されています。活字になってもすらすらとは読めないんですが。そのほかの解説も詳しくて、じっくり読んだらとっても楽しそうです。…ただ、そんなにじっくり読んでる時間があるのか、というところですが。
さらに、「幕末群像伝」の方は薄い冊子だと軽く見てたら大間違い。史料の裏付けを取りながら丁寧に土方歳三の事績を記しています。(まだ最初の方を見ただけですが)。
これでますます新選組から離れられなくなりそうです。
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