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2015年03月18日01:03

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大谷探検隊の軌跡をたどる旅順の旅(3)

最終的にキャンセルも出てツアー参加者は42人になりましたが、やはりこの人数ですので観光バス2台が用意されました。あらかじめ1号車、2号車いずれかに分類されて乗り込みます。先生は二人なので1台に一人ずつ。日本語を話す中国人ガイドもバスに一人ずつ。

空港から大連の街に向かいながら、ガイドさんが大連の街の説明をしてくれました。
大連は三つの「水」の町です。

水稲
水産
水果

水稲と水産は日本語とほぼ同じ。大連は港町なので水産物が豊富です。
そして「水果」とは、中国語で果物のことです。特にりんごがよく獲れます。

到着した日はちょうど旧正月15日で、元宵節とも言って、春節の延長のお祭りの日です。

まずは昼食のレストランへ行きます。
昼食は東北料理「春餅」。中国らしいハデハデな装飾の建物です。
春餅料理とは、小麦粉の皮に具を包んで食べるものです。中華料理の丸テーブルに、皮が重ねて乗っているお皿と、そして具になる料理が次々と出てきます。とりあえず適当に包んで食べていきます。

もともとは午後は大連市内観光が予定されていたのですが、大連図書館の見学の許可が下りたということで、予定変更になりました。出発前に電話で聞いたんですが、大連の市内観光は旧満鉄ビルや、中山広場のヤマトホテルや日本の銀行などの近代建築を見るのが楽しみだったのですが、それは行けるかどうか…でも大連図書館には大谷光瑞の蔵書があるということで、それを見せてもらえる許可が出たというのです。それなら市内観光より図書館に行きますー!

大連図書館に着きまして、どんどん奥へ入っていきます。階段を上がると、なにやら中国風の瓦のひさしの入り口が。ここは「白雲書院」と言いまして、中も古典的中国風の窓や柱が続いています。そうして教室のように机が並んでいる部屋に入りました。机と言いましても、これまた昔の中国のような木の机に木の椅子です。机の上にはレジュメと薄い本が置いてありました。

前の机には図書館の館長さんと、上山先生が座ります。館長さんは、辛欣さんという、それほど年配でない女性で、最近館長になったそうです。上山先生は以前から大連図書館と交流があり、そして前館長とともにその下で働いていた人が新しく館長になったと言っていました。

まずは館長のごあいさつ。中国語なので通訳付き。
それから上山先生の講義です。
レジュメに書かれているテーマは「大谷探検隊の跡をたずねて」
三次にわたる中央アジア探検のあらましが延べられました。
現地から発掘した経文など断片もたくさん持って帰ったそうですが、それが今では紙の原料を分析することで、作られた場所がわかるので貴重な資料になるそうです。

また、大谷光瑞は「大谷文庫」と言われる蔵書があり、それが大連図書館に収蔵されています。大谷光瑞は旅順に別邸を構えていたことがあり、今回のツアーでも外観だけ見る予定にしています。大谷コレクションも、旅順にかなりまとまって収蔵されていますが、単に売り払われたわけではなく、大谷光瑞自身の関与もあったようです。
大谷文庫は大連に多く収蔵されていましたが、共産中国成立後にごっそり北京図書館に持って行かれてしまったそうです。

大谷光瑞は漢籍はもちろん、イギリスに遊学していたことがあって英語も堪能で、書物も漢籍、西洋書、和刻本、と多岐にわたっているそうです。

また、薄い本は図書館の機関紙でした。全部で3冊。一応全員に配られたのですが、中国語なんですけど。
とりあえず中を見て見たら、そのうちの1冊に「大谷光瑞と大谷文庫」という文章があるのがわかりました。あとで読んでみよう。

それから、私はこのツアーで初めて知ったのですが、大谷探検隊のことは、本願寺では長らく語ることがタブー視されていたということです。それは、大谷光瑞がさまざまな事業を起こしたあげくに寺の財産を傾け、さらにそこに疑獄事件の疑いもかけられて門主を辞任したのですが、その「寺の財産を傾けた事業」の一つが探検隊事業だったということからです。そのため、大谷光瑞本人だけでなく、探検に参加したメンバーも固く口を閉ざし、探検のことを語ることができなかったということです。

私は中央アジア史研究の一環として大谷探検隊の偉業があり、日本でも東洋学の一部として重要な研究材料として認められているものだと思っていました。しかし、本願寺の信徒から見たら寺の財産を食いつぶした、ということになっていたとは。
さらに、このツアーではその探検隊のメンバーの孫、ひ孫など遺族の方々も参加していました。そうして、探検隊の話をしてはいけないと言われてきた事情などを実際に聞きました。

さて、上山先生は興が乗ったらしく話がなかなか終わりません。「先生、そろそろ…」とうながされてやっと終了になりました。おもしろいのでずっと聞いていたいんですが、時間がありますからね。

それから、実際に大谷文庫の見学に行きます。人数が多いので、バスの号車で分かれて、1号車は先に文庫を見て、2号車は館内見学に行き、それからチェンジします。
次に通された部屋に、書物がすでに出されて置いてありました。もともとはヒノキの箱に入っていて、防虫になって大切に保管されていたとか。
まず古めかしい漢籍があります。何冊か組になってパッケージになっているものです。清代の小説だということです。和綴じで、しかも手書きだとか。印刷のものあります。大谷光瑞がこれを読んでいたということは、100年前でも和綴じの手書き本が普通に出回っていたということでしょうか。
また、新しい本もあります。収蔵本を復刻したものだということです。本は劣化するのでなかなか誰でも見るというわけにはいかないので、こうした復刻本を作ってより多くの人に見てもらえる、研究もできるようになるということです。実際、漢籍の方は館長さんが手袋をはめて、広げて見せてくれました。素手ではさわれないわけです。

館内の見学は、普通に図書館で…。児童書コーナーもありましたが、そこには日本のマンガ(中国語版)もありました。歴史の書架には引力を感じそうになりましたが、見てるヒマなんかありませんってば。

最後にみんなそろって、大きな入り口ホールで記念撮影をしました。
図書館を出たら、市内観光をする時間は全くありませんでした。
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