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2026年07月20日01:34

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よみがえる奈良天平のしらべ

よみがえる奈良天平のしらべ
東儀秀樹が奏でる古代楽器の音色

…というイベントがありました。
正倉院の箜篌を復元して演奏するという話なんですが、東儀秀樹が演奏する???と、やや不思議に思いましたが、とにかく箜篌の音が聞けるならと行ってみました。

これは現在奈良国立博物館で開催されている「南都仏画 よみがえる奈良天平の美」という展覧会の関連イベントです。
まず司会の河島あみるさんによって展覧会とイベントの簡単な紹介があり、奈良国立博物館の方が展覧会の説明に登場しました。学芸員の方だと背広にネクタイで現れるかと思ったらTシャツ姿。しかも正面に大きな太ゴシックの縦書きで「南都」と書いてあります。南都と言えば奈良のことです。そうしたら、スクリーンに展覧会のポスターがどーんと映され、そこに書いてあるコピーは「なんとうるわしい…」南都と掛けてあるということでした。

この展覧会はボストン美術館の協力で実現しましたボストン美術館と言えば、フェノロサが日本美術を持って帰って収蔵した美術館です。ポスターに載っているのは奈良国立博物館収蔵の釈迦如来ですが、斜め向きなのは珍しいとのこと。通常ならば正面向きに描かれるはずです。

また、今回演奏される箜篌について。箜篌はシルクロードを越えて、中国から日本に伝わりました。しかし楽器としてはすたれてしまい、正倉院にバラバラの状態で残っているのみです。東大寺戒壇院の扉絵に箜篌を演奏している絵が残されており、その他史料を探しながら復元されました。

といったところで、東儀秀樹氏と東儀典親氏が登場しました。典親氏は東儀秀樹氏の息子さんです。秀樹氏は箜篌を、典親氏は阮咸を持って登場しました。そして楽器を手にそれぞれ説明します。まず典親氏は笙を持って、竹のパイプを並べた楽器だと説明します。管楽器ですが、和音を奏でることができます。その音は天上の音色だとされています。そして少し吹いてくれました。秀樹氏は篳篥を手に取って、これは竹の筒に穴をあけたもので、葦のリードが付いていますと説明して、さらにこれは地上の音だと言って吹いてくれました。秀樹氏は篳篥の奏者と言うイメージでしたので、こちらが本領。

そうして箜篌の説明です。まず弦をしっかり張って調弦すること自体が難しい。戒壇院の絵では弦を張った下部に房が並んでいて、弦を房に結んで調弦していたように見えますが、これでは演奏しているうちに緩んでいきます。他の資料でよくヴァイオリンなどに使われている、弦を巻き取るねじのようなものを使っているものが見えたので、それを採用しました。さらに弦を上方に張る、湾曲した部材が安定しない。そうしたら、正倉院で小さい部品が見つかって、それを取り付けたらうまくいった。
ということで、箜篌の復元はなんとかできたものの、調弦も楽譜も参考になる史料が何も残っていない。なので雅楽の曲や奏法を参考に創作したということです。

秀樹氏は箜篌を引くのは初めてということです。なので、ハープ奏者などもっとうまく弦を奏でることができる人はいると思いますが、しかし雅楽の家に生まれた自分が、長年雅楽の空気感をまとって体得したものがあるはずなので、それを表現したかった、ということで今回初披露です。

(雅楽に使われている楽器は、遣唐使などが大陸から日本にもたらしたものです。そしてそれらの楽器のいくつかは、西方から中国にもたらされたものです。箜篌は古代ペルシア起源のものと、インドのヴィーナを起源とする二つのタイプがあり、共鳴胴の位置が違います。正倉院に残っているものは竪箜篌とも呼ばれるペルシア起源のものです。私は箜篌はどうしてすたれてしまったのかと思っていましたが、今回秀樹氏の説明を聞いたら調弦を安定させるのが難しい形のようで、使いにくかったのかもしれません)。

秀樹氏は自作の「神仙の箜篌」という曲を弾きました。奏法はさほど技巧をこらさず、両手を使ってどちらかといえば素朴な音色で奏でました。

典親氏は阮咸の説明をして、弾いてみてくれました。

それから二人で合奏です。雅楽の定番曲「越天楽」をベースに、以前秀樹氏がアレンジした「越天楽幻想曲」という曲を篳篥を中心に演奏しました。

いずれも癒しの音楽のようでした。

演奏が終了してもアンコールの拍手がやみません。
アンコール曲は「星に願いを」でした。現代楽器の伴奏が録音で付いています。不思議となじみました。和楽器を西洋の楽器と合わせるとあまりなじまないことが多いのですが、特に篳篥の音はとてもなじみます。

最近偶然唐代の音律を調べ直していたのですが、それより以前に亀茲国から入ってきた音律が「七調」と言って、七つの音をベースにしている音律があります。そうしたら、その七つの音がどうやら西洋のC、D、E、F…の音の対応しているらしい。
しかし、それなら雅楽の楽器と現代の音楽は和合しやすくて無理がないのかもしれません。

終演後、楽器を残していきましたので、写真に撮ってきました。アップになっている細くてふくらみのある部分のものが「見つかった部品」です。
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