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2026年06月02日00:17

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西洋絵画400年の旅

京都京セラ美術館でやっていました。5月半ばに行って、日記に書いたつもりが投稿できてなかったことに気が付いたので、今ごろです。幸い下書きが残っていました。

「西洋絵画400年の旅」は、東京富士美術館の多彩な収蔵品から選ばれた作品を集めたものです。

「400年」ということで、年代をたどっていくのかと思ったら、そちらは大雑把で、作品をテーマ別に分けて展示していました。
まず絵画で一番格が高いのが「歴史画」。といっても、神話伝説の類、聖書物語など。衣装や背景、人物表現など絵を描くための知識や技量が最大限に試されるため、一番上位に来るのです。
次は肖像画。王侯貴族が肖像画を描かせるのはよくあることですが、それもやはり地位や財産がないと画家に依頼できません。しかしそのうち市井の人を描く肖像画も出てきます。
そういったところから風俗画が出てきます。
そして一番下位は静物画。

まず歴史画はバロック〜ロココ時代にが中心です。西洋美術史的にはルネサンスからあるものですが、今回の展覧会ではそれ以降になります。超有名画家ではなくあまり知らないような画家も多かったです。アレクサンドロス大王とか、ハンニバルの生涯とか、ヴィーナスの誕生(ボッティチェリではなくノエル・ニコラ・コワベル)とかがテーマです。

肖像画は、貴族の需要も多いジャンルで、今回は特に有名人でない人物が多かったです。
ティントレットの「蒐集家の肖像」は、彫刻や金の細工の置時計を並べて背景にはサンタンジェロ城が描かれています。
その隣はフランス・ハルスの「男の肖像」。これを見ると、「蒐集家の肖像」は形式的なやや硬直した人物画に見えます。フランス・ハルスの絵は、老人ではあるものの今にも動き出しそうな生き生きした造形で、二つ並んでいるのは興味深かったです。
あとはナポレオンもありました。
ヴィジェ・ルブランの描いた、ルイ16世の妹エリザベート王女の肖像もありました。
ゴヤが描いたスペインの王子の絵もありました。

また、フランス貴族で革命後ナポレオンに仕えた「ナント侯アントワーヌ・フランセ伯爵の肖像」(ジャック・ルイ=ダヴィッドの工房)は、キャプションにもややあおり気味のアングルで尊大な雰囲気を出していると書かれており、しっかりしたタッチで見るものに圧迫感を与えるような描き方です。その隣の「アダム・ファーガソンの肖像」(ヘンリー・レイバーン)は、学者の肖像だそうで、まじめで堅実そうな姿で、フランセ伯爵と全く対照的に見えたのがおもしろかったです。

オランダではスペインから独立を勝ち取った後、市民階級が台頭して市民の生活をテーマにした絵が好まれるようになります。そこで風俗画〜静物画が描かれるようになります。静物画は英語やフランス語では「死んだもの」みたいな意味なんだそうな。画題としても下位に置かれますし、西洋人の美意識とか基準ってそういうものかと思います。
それでも鮮やかな花が咲き乱れる絵はきれいです。
風景は理想的な風景を描いたものから、ものすごくリアルなヴェネチアのサン・マルコ広場などさまざま。

その後は「激動の近現代」です。
19世紀以降の絵になります。ターナー、コロー、ドラクロワ、クールベ、ミレー、ルノワール、ゴッホなどが続きます。
実は、風俗画のカテゴリの中にブーグローが描いた「漁師の娘」という絵がありました。網を担いでいる女性の絵ですが、漁師の娘と言いながら輝くような美しい肌の女性がポーズを取っています。これは19世紀のアカデミーの模範的画家の絵なのです。印象派が出てきた時、アカデミーから落選してさんざんけなされたりしたわけですが、ではそのアカデミーが認める絵は、というとブーグローの絵がそうなのです。そう思って印象派以後の絵と見比べるとおもしろいです。

さらに進むと、ローランサン。モディリアニ、シャガール、デ・キリコと続きます。マグリットも2点ありました。
それから印象派以後の風景が続きます。印象派の先駆者とされるブーダン、そしてピサロ、シスレー。セザンヌやゴーガンも風景を描いています。そしてユトリロのモンマルトルの絵も。絵具を混ぜて塗るのではなく、そのままの色をカンバスに乗せて見た時に混ざって見せるようにする「点描」の技法に近い風景がいくつかあって、やさしいタッチに見えるものだと思いました。キスリングの「花」は、静物画のカテゴリに出てきた花の絵と比べると面白いです。徹底的にリアルに見えるように描かれた当時の静物画と、現代に近いタッチの花。どちらも鮮やかで美しいですが、かなり印象が変わります。

ヴラマンクの「セーヌ河畔の家並み」は、フォーヴィスムの画家ではありますがさほど荒々しいタッチではなく単純化された家並みが続く絵です。
そして最後にモネの「睡蓮」がどーん。

有名な画家がいっぱい出てきて、その割に知らない絵が多くてとても新鮮でした。

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