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2021年06月22日00:59

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「ジュディ 虹の彼方に」

晩年のジュディ・ガーランドを主役にした映画ということで見たいと思っていました。結局映画館では見損ねてWOWOWでの鑑賞に。

もともとはジュディ・ガーランドの晩年を描いた「エンド・オブ・ザ・レインボー」というミュージカルがあったのですが、見たいと思いながら日程が合わず見ることができませんでした。これをベースにして作られた映画だそうですが、「映画化」というより、舞台をベースに新しく映画として作り直したようです。

ジュディは二人の子供を連れて舞台の興行をしていますが、借金が重なりホテルからも契約を解除されて行くところがなくなってしまう。仕方なく、子供たちの父親、かつての夫の家に子供たちを預けに行きます。元夫からは自分が親権を持った方がいいと言われながらもあくまでも拒絶。
そこへロンドン公演の話が持ち上がります。子どもたちと一緒に行くのは無理と言われながらも、これでお金が入ったら子供たちを取り戻すことができる!ということを望みにロンドンへ出かけます。
途中、パーティーシーンで一番上の娘、ライザも出てきます。最初の夫、映画監督のビンセント・ミネリとの娘で、これが本当にライザ・ミネリそっくり!

物語はロンドン公演が中心になっています。「エンド・オブ・ザ・レインボー」ではロンドンのホテルと劇場のみで繰り広げられる舞台だったそうです。しかし映画なので、ロンドンに来るまでの顛末も入れて、さらに随所に少女時代の回想も入ります。
ジュディは薬とアルコールに溺れ、精神不安定で、ロンドンでのリハーサルも「歌いたくない」と拒否してかえってしまう。そして初日も劇場に姿を見せない。
現地のマネジメントの女性が優秀で、ホテルに来てマスターキーで部屋を開けさせ、無理強いするでもなく、おだてながらも毅然とした態度でジュディをホテルから連れ出し、車に乗せて劇場へ。
歌えないーと駄々をこねるジュディを舞台へ押し出します。

舞台に出た途端、ジュディは客席に語り掛け、見事な歌を披露します。

ジュディを演じるのはレネー・ゼルウィガー。歌も自分で歌っています。とても味のある歌声で、ジュディ・がーランドの歌い方を相当研究したようで、しかも単なるまねではなく憑依しているのかと思うほどのレベル。

眠れなくてイライラしたり、薬、煙草、アルコールが手放せずにホテルでも楽屋でもグダグダ。なのに舞台に立てば拍手喝采。

少女時代の回想もロクでもなくて、周りからはプレッシャーや脅し。特に映画では「この怖いおばさん、誰?」と思ってしまうようなこわ〜いステージママからはダイエットのために食事を禁じられ、薬を与えられ、いつも怒られてばかり。こんな少女時代を過ごしていたら歪むよね…と思ってしまう。
しかも、ジュディ・ガーランドはミッキー・ルーニーと組んだミュージカルで評判を博しますが、ジュディが思い切ってミッキーに告白するとあっさりフラれ…。

晩年のジュディ・ガーランドはかなり悲惨だったという話は聞いていたので、楽しい映画にはならないだろうなと思っていました。
確かに、相当悲惨な状況ではあるのですが、暗い気分にはなりませんでした。それは、舞台の上のジュディは誰よりも魅力的で、素晴らしい歌を聞かせてくれるスターだったということがわかるから。
ジュディ・ガーランドと言えば「虹の彼方に」ですが、このナンバーはそう簡単には出てきません。最後に、とっておきの場面として、「こう来たかーーー」とうならせる使い方で感動させられました。

ということで、結局とても素敵な映画でした。

さて、ミュージカルマニアとしては、ジュディ・ガーランド情報はある程度知っていました。「オズの魔法使い」のドロシーのおかげで「となりの女の子」のようなイメージで売り出され、それをキープするため薬と絶食と煙草でダイエットを強制されたこと。華奢な少女のイメージのままでいるよう、成長することを否定されたのです。
薬漬けになったジュディはその後の映画撮影で遅刻や無断欠勤を繰り返し、役を下ろされることもたびたびありました。

フレッド・アステアの「ブロードウェイのバークレー夫妻」も最初はジュディ・ガーランドと共演するはずでした。しかしあまりにも撮影スケジュールを守らないため、ジンジャー・ロジャースに変更されました。結局、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの名コンビが10年ぶりに復活するという思わぬ話題を提供することに。

そういったことから、ジュディ・ガーランドの晩年は不遇だったようなイメージがありましたが、この映画を見たらどんなに薬やアルコールでグダグダになっていようと、ジュディは最後まで天性のスターだったのだと思えるようになりました。
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