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2018年09月10日00:11

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「世界史序説―アジアから一望する」

「世界史序説―アジアから一望する」
岡本隆司:著 ちくま新書

日記が途切れていたのは、8月も死ぬほど忙しかったからです。NPO法人と財団法人の経理を並行してやってると混乱するし、変更しないといけないものが次から次へと湧いてくるし、本当にきりがありません。8月末でNPOの支払いや入金が大部分片付いたので、9月になったら多少はマシになるかと思ったのに、財団法人への移行処理が予想以上に面倒で、まだまだ仕事が山積み…。

さて、この本は少し前に読んだんですがこれはぜひ書き留めておきたい。
まず、いかに私たちが西洋中心のものの見方に染まっているかを突き付けられます。
そうして古代文明から始まる世界史の記述が始まります。

ここで提示されるのは、「世界史」は、遊牧民と農耕民の交流によって発展してきたことです。西アジアから中国に至る各地の歴史はほとんどこの図式に当てはまります。個々の歴史の記述、すなわち歴史が「暗記もの」とイメージされる細かい事柄はかなり省略されて、「交流」を中心に発展してきたキモを書くことによって、それぞれの時代や地域の状況が解き明かされるのです。

中国とかイスラムとか中央アジアとか、いずれの時代にもこの異なる生活様式の人々の間で必要なものを交換するということがいかに重要だったか。
ということで、モンゴル帝国まではほとんどヨーロッパが出てこない状態で「世界史」の記述が進んでいきます。いや、オスマン帝国とか清朝にまで言及する章が終わってようやくヨーロッパの登場です。その時代は…というと、ルネサンスに当たります。軽く中世に触れて、ルネサンスから大航海時代が始まるヨーロッパの記述が始まります。

ここでようやく思い当ります。この記述の分量の割合こそが、真の「世界史」のバランスではないかと。しかしこの時代に至るまで、異なる生活様式の間で交流を行いながら続いてきたユーラシアの営みが、大航海時代を迎えたヨーロッパによって一気に覆されてしまったのです。
そうしてヨーロッパが世界の主役となって、ヨーロッパ中心のものの見方が標準となる概念が世界を席巻していくのです。そしてそれは、現在の世界の見方にも通じており、いまだに払拭されていないのです。現在の世界の見方、概念を問い直す方向へ導く結論は鮮やかです。
最後にはこの「世界史」の流れに沿って日本はどういう歩みをたどってきたか、も検証されます。

これは、多少なりとも世界史に興味のある人なら読んでおくべき本ではないかと思います。

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