先週東京に行ってきました。目的地が赤坂なので、赤坂迎賓館が近いのではないかと思いました。なので行ってみることにしました。
赤坂迎賓館は、片山東熊の総指揮のもとに東宮御所として1909年に完成しました。片山東熊と言えば、京都国立博物館でおなじみです。しかし、出来上がった宮殿はあまりも華美だったため、明治天皇のお気に召さなかったとか。そのため東宮御所としてもほとんど使われず、当時皇太子だった大正天皇もほとんど住むことがなかったそうです。そのため東宮御所ではなく「赤坂離宮」と呼ばれることになりました。
戦後は行政機関としていろいろ使われましたが、外国の賓客をもてなすための施設としてここを迎賓館として改装することになりました。改修には村野藤吾が当たりました。
見学は建物の後方から入ります。正面玄関から続く赤じゅうたんの玄関ホールとそこから上がっていく中央階段を見ることができます。階段の部分は入れません。
最初に見学する部屋は「彩鸞の間」です。鸞という鳥をデザインした装飾があります。ナポレオン1世のアンピール様式です。ナポレオンのエジプト遠征に関連付けて、エジプト風の装飾もあります。石膏の壁に金箔の装飾、まるきりヨーロッパの宮殿のような華やかさです。しかし軍隊や武器のモチーフの装飾には鎧兜などもあり、一応日本の建物だということをさりげなく示しています。
部屋の両側には暖炉があります。ボランティアガイドの人にこの暖炉は使えるのか聞いてみました。(各部屋にボランティアガイドがいて、一通りの説明してくれるのです)。使えるように作ってはありますが、使われたことはないそうです。といいますのは、この建物が完成したのは20世紀。すでに温風暖房が実用化されていたのです。壁の上部には模様が透かし彫りのようになっている部分があります。じつはこれは温風の吹き出し口なのです。
それから「花鳥の間」。木曽産のシオジ材の板張りの壁です。壁にはメダイヨン型の枠に無線七宝の花鳥画がたくさん並んでいます。天井にはフランスの画家に依頼した鳥や花の絵。
そしてフランス製の豪華なシャンデリアが下がっています。やはり電気がある時代にできたので、ろうそくなどを使うことはなく最初から電気のシャンデリアだったそうです。
この部屋は国の公式晩餐会が催される部屋です。テーブルに食器が展示してあります。
「羽衣の間」は、謡曲の「羽衣」をモチーフにした部屋ですが、羽衣の冒頭部分を訳してフランス人に絵を描かせた…ということで、西洋風の絵に布がひらひら舞い、洋風の壷から香りが漂っている様子が壁の上部から天井に描かれています。
この部屋は舞踏場です。鹿鳴館時代も過ぎ去り、実際に舞踏会が行われることはなかったのですが、ヨーロッパの宮殿には必ずあるものなのでいちおうそれらしい部屋を作ったということです。オーケストラが演奏する場所も作ってあります。
この部屋は実際には外交団の控室や国賓の謁見などに使われています。
国賓のサイン帳も展示されていました。ジミー・カーター、西ドイツ(当時)のシュミット首相、イギリスのサッチャー首相、大平正芳…1ページにこれだけのサインがあってビックリしました。
他の見学客がこの間の震災で被害はなかったかと聞いていました。特に被害はなかったそうです。そこではたと思いました。地震と言えば、この建物ができてそう長くない時期に関東大震災があったではありませんか。なので、関東大震災のときはどうだったのか聞いてみました。するとやはり被害はなかったそうです。
明治半ばに名前も残らない小さい震災で洋館が倒れたことがあったそうですが、そういうこともあって、赤坂迎賓館を建てるときにアメリカにカーネギーを訪ねて耐震性のある建物を研究してきたというのです。カーネギーと言えば鉄鋼王。この建物は鉄骨煉瓦造りなのです。
なので、次に東海地震が来たときはここに避難すれば大丈夫、ということでした。聞いていた見学客、「入れてもらえるの?」
赤坂迎賓館は賓客の宿泊にも使われます。扉に数字のある部屋が宿泊できる部屋です。
さて、玄関ホールから続く中央階段を上がったところが2階大ホールです。正面には小磯良平の大型の油絵「音楽」と「絵画」が飾られています。階段も大理石、ホールの柱も大理石。実に豪華です。この先には「朝日の間」があるのですが、修復中で入れませんでした。
さて、建物を出て後方に回りますと主庭があります。豪華な噴水があります。噴水の向こうに見える宮殿のロケーションはどう見てもヨーロッパの宮殿です。
そうしてやっと最後に正面部分を見ることができました。正面部分は有料エリアを出たところになるので、中に入ってしまうと全部見た後でないと行けません。
白いの花崗岩の壁、中央から湾曲して伸びる両翼はウィーンのホーフブルク宮を思い起こします。逆光で暗い写真しか取れなかったのが残念です。
正面ゲートまで戻って振り向くと豪華なたたずまいが見られました。この門はベルサイユ宮殿みたいです。
いや〜、日本にこんなに豪華な宮殿があったんですね〜、とビックリする豪華さでした。
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