東洋陶磁美術館でやってたので行きました。
ヘレンドの歴史をたどりながら見られるような展示になっています。
ヨーロッパで磁器の製造が始まったのは、中国の磁器を見て同じようなものを作ろうとしたわけで、そのため形や絵柄など中国によく似たものが作られたこともありました。ヘレンドでは特に東洋モチーフをブランドとして確立して継続的に作っていったのが大きな特徴です。中国磁器のほか、日本の柿右衛門の影響も受けて、それらをモチーフにヘレンド独特の図柄を作り上げました。
中国磁器を真似たヨーロッパの磁器はただの「モノマネ」に終わるだけで、その窯の代表作とまでは至らないことが多いのですが、ヘレンドでは独自の様式を作り上げてしまったのです。
ティーセットも取っ手に中国人が付いていたり、プレートの小さい足が小さい中国人がひざまずいてるモチーフだったりポットのふたが中国人の頭だったり。
「ゲデレー文」は、ゲデレー宮殿に納められた食器セットに使われた絵柄です。ゲデレー宮と言えば、オーストリア皇后にしてハンガリー王妃エリザベートのお気に入りの宮殿。その食器が中国の松竹梅のモチーフをもとに考案された「シーアン・ルージュ(赤の西安)」という文様なのです。さらに同じような図柄で「シーアン・ノワール(黒の西安)」というのもあります。赤の西安も黒の西安も現在も食器の図柄として生産され販売されています。
ロンドン万博で出品された磁器でヴィクトリア女王がディナーセットを注文して「ヴィクトリア文」といわれれるようになった図柄も、清代の粉彩の花鳥画をもとにしたと言われます。
ポスターにもなっている柿右衛門風の壺は本当に大きくて迫力がありました。
また、1896年はハンガリー建国1000年で、ナショナリズムの盛り上がりがありハンガリーの伝統模様を取り入れた図柄も作られrました。チューリップの図案など、ハンガリーの刺繍の図柄に通じるものがあります。
ブダ王宮に納入された、シンプルで上品な図柄のディナーセットもあります。
戦後ソ連の衛星国として社会主義になったハンガリーでは労働者モチーフの磁器も作られました。
さらに現代では創作磁器が作られています。アート作品のようなものもあります。
ハンガリーが好きなので、当然ヘレンドも大いに興味があるのですが、ただやはり東洋モチーフはどうしても「好き」とは言えません。ただのモノマネと違って、ヘレンド独特の様式にまで昇華して美しい磁器を作り上げたことは認めますが。
ヨーロッパ人と違って、ヨーロッパの磁器に東洋のエキゾチシズムを求める気にはなれませんので。
最後にはヴィクトリア文のディナーセットのテーブルセッティングと、緑の磁器のティーセットのセッティングがされていました。ここだけ写真撮影可。
常設展示はその先の部屋に押し込められていました。
自然採光の宋代青磁はそのまま。東洋陶磁に来たからには見ておかなくてはいけません。砧青磁の完璧な造形、美しさは何度見ても飽きません。この間汝窯展で見た水仙盆も、一点東洋陶磁の収蔵品なので展示されていました。
そして、喫茶室では会期中はヘレンドの磁器を使うという話!
なのでヘレンド展特別メニューのマフィンセットを注文しました。
コーヒーとマフィンが「ウィーンのばら」の食器で出てきました。うっとり〜、すてき〜。
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