スピネットとは、小型のチェンバロです。
この間近代建築めぐりで行ってきた船場ビルディングの一室にある「サロン・ドゥ・螺」でスピネットのリサイタルが行われました。小ぢんまりとした空間にピッタリのかわいらしい楽器で、昔の貴族のサロンの雰囲気を想像しました。
スピネットを弾くのは澤朱里さん。
まずは傍らに置いてあった小さなハープを手に取ります。アイリッシュ・ハープで、しかも金属弦です。今はナイロンになっていますが、もともとは金属だったということでそれを再現したとか。かそけき楽の音は、こんな小さな空間だからこそ楽しめるものでした。旋律はまさしくアイルランドの音。
そしてスピネットはスペインやイギリスの古楽を奏でます。「グリーン・スリーブス」もありましたが、かなりアレンジしている模様。
「シャコンヌ」はいろいろな音楽の即興演奏を交え(「さくらさくら」のメロディーまで入ってました!)、チェンバロってこんなに自由な演奏ができるのかと驚きました。古い楽器なだけに、昔の作曲家の曲を再現するのが主な使い道だと思っていたのに、現代に弾く人に合わせて大胆にアレンジができるんですね。
クープラン、ラモー、とチェンバロらしい作曲家の曲が続きましたが、これらもまた即興アレンジが入っている模様。でもかわいらしいスピネットの演奏を目の前で演奏しているのを見ていると(鍵盤が見える席をゲットしました)、昔の貴族の令嬢が優雅にお稽古をしている時代の幻想が浮かんできました。
「サロン・ドゥ・螺」は、船場ビルディングの一室をガウディのバトリョ邸をまねた螺旋風の天井に改装したもので、古楽コンサートのほかいろいろな催しをしています。
近々ヴォーリスの建築を、心斎橋大丸の原図を中心に展示する企画があるので、これもぜひ行ってみたいです。
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