mixiユーザー(id:1362523)

2013年01月25日01:05

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「蒼穹の昴」「珍妃の井戸」「中原の虹」浅田次郎

前から読みたいと思ってたんですが、今頃やっと読みました。
歴史背景の描写はしっかりしていますが、「歴史もの」というよりその時に生きた人々の哀歓を深い所まで描き出して見せてくれた、という感じです。特にその日生きることさえままならない底辺で苦しむ人たちに寄り添うような視点に立っていること、そして人間の価値に対するゆるぎない信念が作品の土台になっていて、心の奥に深い感動が広がりました。

「蒼穹の昴」は清朝の行政や後宮や科挙のしくみがよくわかるようになっています。乾隆帝の時代にも飛びます。
歴史上の人物もたくさん出てきますが、一人一人の人物描写がとても生き生きしていて、その人は本当にそういう人だったかと思ってしまうぐらいです。
西太后のイメージもコロっと変わります。戊戌の政変の経過なども含めてどこまで歴史的事実と思っていいやら…とは思いますが、中国の近代史を難しいと思って避けているような人にはとてもわかりやすく読めていいんじゃないかと思います。

「珍妃の井戸」は、珍妃の死の真相を探ろうとして関係者に話を聞くと、みんな言うことが違う…そうして行き着いた先は…、と、ミステリーのような構成。

「中原の虹」は張作霖が主要人物ですが、張作霖ってそういう人物だったの?と多少ビックリしましたが、どこまで創作なのかはともかく、すばらしく魅力的で個性的な人物です。最後の方は奉天(今の瀋陽)に屋敷を建てます。瀋陽で張氏帥府を見たので「ああ、あれか」と思い浮かびました。
「蒼穹の昴」の人物も出てきますし、その上どんどん人物が増えていって、誰が主人公かわからない群像劇になっていきます。さらに清朝草創期のヌルハチ〜ホンタイジの時代、そして順治帝の北京入場の場面も随所に挿入されます。

とにかくおもしろくて止まらなくて、一気に読んでしまいました。


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