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2019年10月26日08:04

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レイン・ソング

先日、マイミクのBブギーさんから依頼されて鮭オーケストラというアーティストのコンサートカメラマンをやった

僕は震災以降、ライフワークとしてスナップ写真を撮っていて、あまり人の依頼で撮ることはないんだけど鮭君は面識もあるし・・・何より素晴らしいアーティストだと思っているし、マイミクの明石在住のエレキテルKATU君とも一緒にライブとかをやっているので・・・このエレキテル君もミュージシャンでもあり、写真もやっていたりとか・・・そうそう彼も一度、新宿で一緒にスナップして飲んだことがあったなあ

っていうかあったのはそれっきり・・・たった一回だけだ

それでもね、わかるんだよ。音楽や写真を通して・・・

そんなわけで僕の流儀でやらせてもらえるならという条件付きで、喜んで引き受けさせていただいた

鮭君は現在、ホームレスで車で寝泊まりしながら全国を回っている。
もし鮭オーケストラというアーティストに興味を持ったならば、マイミクのBブギーさんの日記やつぶやきに飛んでいただきたい。
ストーンズのレット・イット・ブリードのプロフ写真が目印だ。

まあ、僕は僕の領分スナップ写真で

月曜日・・・那須のペンションへ・・・・

台風１９号の影響ってほんとじわじわとボディブローのようだ。

夜、鮭君のコンサート・・・

間近で見る鮭君は迫力満点だ！！そう、これは「俺がお前に会いに行く」鮭君が旅をしながらみんなの街に会いに行くという旅という表現活動の一環なのだ

今回、一緒にきた藤波さんもよかったなあ・・・

チャーミングという言葉があるけどもともとチャームというのは惹きつけるという意味とお守りという意味がある。
何となくこの時に明日の教会でのあんべさんとのジョイントコンサートの方針をこの時決めておいた。

藤波さんは鮭君のチャーム(御守り)だ。
藤波さん単体でも実にチャーミングでフォトジェニックで独特のアトモスフィアを発する人だけどね

それから夜はみんなとセッション♪

これもまた楽しかった。
サザンのYaYa～の歌詞のように「互いにギター鳴らすだけで分かり合える」っていうのは本当だ

そう、僕がこだわるスナップっていうのはまさにそれでインストルメンタルが楽器からカメラに変わっただけだ。
別に誰かと一緒じゃなくてもいい。
僕は被災地という突然現れた違和感だらけの世界と仲直りしたかったのだ。
わかり合いたかった・・・

そんなこんなで夜は更けて・・・翌朝・・・

この日は即位の礼の日で・・・
そんな日に御用邸のある那須にいるっていうのもなかなか象徴的だなあ・・・なんて思ったりしたし、そんな中虹が出たとか云々・・・ニュースの合間にテロップで各地の災害状況なんかを伝えていて、まあパレードが中止されたりであるとか・・・まあ、賢明な選択だとも思うし本当に象徴としてつとめを果たされるんだろうなあ・・・とかあれこれと考えた。

当日は「あんべ光俊」さんの前座が鮭君だったのだが・・・完全にアウィの環境で鮭君は素晴らしかった。

ワイヤレスのギターで入口から颯爽と登場・・・

これには観客の皆さん驚いたと思う。

だけど僕には完全にそういう事やるだろうなあと彼のギターのワイヤレスシステムを見ていて読めていた。
読めていたから撮れたんだけど・・・

それは鮭君っていうのは極めて高い知性を持つエンターテイナーであるとわかっていたからだ

エンターテイメントや表現っていうのは狂気ではなくて狂気と狂気の狭間の正気なのだ。

スナップっていうのはそういう事だ。
勘もあるけど偶発性の「客体」では表現としての写真は成り立たない。
少なくとも客に見せる表現という意味では。

よく狂気のアーティストなんていう物言いがあるけど・・・本当の狂気の最中では人間は表現なんてできない。
鮭くんは大酒飲みだけど、基本的にライブ前には酒を飲まない。
モーリス・ユトリロというアル中の画家がいるけど、彼はアル中であるがアルコールを飲みながら絵は描かない。
正気じゃないといい表現なんか出来ない。
失敗したって酒のせいだ！と予め逃げ道用意してるんだから・・・まあ、自らの意志で退路を断ちホームレスになった鮭くんはその点圧倒的に信用出来る。

それは狂気ではなく、正気なのだ。
鬼気迫る表現っていうものの正体は狂気ではなく正気なのだ。

実はこれにはあとから出てくるあんべさんの意趣返しがあって・・・
なんとあんべさんはストラップなしのギターを持って・・・「ちょっと悪いんだけど、君・・・このギター持っててくれる？」と一番前のお客さんをストラップ替わりに使ってしまったのだ

計算していないんだろうけど、こっちは全然想定外だった。
流石だなあ～と思った。
鮭君が迫りくる魅力なら、あんべさんは引き込まれる魅力だ。