■「俺も一生懸命、働くわ」
▼妻が、さっき出かけた。最近は、11:30頃の出勤である。
出かける前、玄関口で
「アキラが来て、お母さんありがとう。
俺も一生懸命、働くわ、と言ったの。
面食らったわ。
ええ心がけじゃ、感心、感心!」
と、私に伝えた。
▼アキラは、私たちの娘のダンナである。
元日に娘一家は、このダンナの車で、3人の子供たちと
夫婦5人でやってきて、長男から送られてきた「お年玉」
5人分と、それに、冷凍のカニや牛肉、刺身などをもらって
帰った。
それでもまだ冷蔵庫に残っている正月用品や、普段の食料品、
お菓子などを、きょう取りに来るよう、妻が電話で娘のところに
連絡しておいたので、やってきたのだ。
▼アキラが前の運送会社を辞めてから、娘一家の収入は以前の
3分の1以下に減った。いまは、元の6割ぐらいまで回復したが、
アキラの稼ぎだけではやっていけない。
2年前から娘も近くのスーパーで働くようになつたが、それでも
まだ、足りない。
▼足りない分は、我が家から補填している。だから、食料品など
特売などで安く余分に買ったものや、お菓子類など、ときどき
電話して取りに来させる。
▼車では、我が家と娘一家の家は15分か、20分くらいの
距離である。アキラが運転し、一家5人勢ぞろいしてやってくる。
きょうは子供たちがサッカーや、冬休み最後ということで
ついてこなかったらしい。娘も仕事で、アキラ一人で来た。
アキラの好きなマヨネーズも入っていたらしい。
「はい、これ」と妻が紙の手提げ一杯の食料品を手渡すと
「今朝、マヨネーズがちょうどなくなって、
彩子に言ったら、あんたが使いすぎるからよって
怒られたところなンだ。ありがとう」とアキラが言った。
アキラは普段、礼は子供たちに言わせる。
「ほら、ちゃんと、じいちゃん・ばあちゃんに
ありがとう、といわんか!」
でも、自分ではめったに言わない。
テレているのである。
▼それが、今朝、一人でやってきて、妻の報告では
「お母さん、ありがとう
俺も一生懸命、働くわ」
と、言ったそうだ。
男には微妙な感情があって、対・男親には、こうはなかなか
素直になれない。
かつての私がそうだったように、アキラが私に礼を言うには
まだまだ、長い時間がかかると思う。
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