昨年書き始め、忙しくなって放置し、月日の間に途中が失われた物。もう完成させることもないだろうからここに置き去りにする。
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(無題)
オクラホマミキサーの曲をふと思い出し、あの能天気なメロディーを今思い出しているのは世界中に何人いるんだろう、と答えが分かったところで何の達成感もない事を思い浮かべて、スマホゲームの代わりの暇つぶしにしている。
半周ほど先だと思っていた。
中学校生活最後の体育祭。そんなことはどうでもいいのだが、その瞬間、生きている間、二度と訪れないハレー彗星の天体ショーを見届けられる確率を漠然と計算するように、私の星を、密かに、無表情で待ち受けていた。目の前に現れる灰色の星々、
(消去してしまっている)
時折は緊張する第一関節を私に差し出すのだが、だからといって、汚い物に触れるような不恰好な第一関節交渉を嫌った、私の少々強引な手のひらを拒む手のひら達ではなかった。
それらの手は、同性の物とは違うと相手が思えばこそ違い、またこちらが思うからこそ少々特別に柔らかな物ではあった。
しかし、不意に視界に現れた彗星は、灰色の星々とはエネルギーがまるで違い、翳っていく陽が引き戻されたかのように私の顔を赤く照らしつけた。
オクラホマミキサーのメロディーはもう随分繰り返されていた。私が望んでいた遭遇の瞬間まで流れているだろうか。彗星は灰色の星々を取り込み、私に近づきながら、なおいっそう輝きを強めていた。
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