mixiユーザー(id:5540901)

2019年01月22日21:01

456 view

読書日記Nо.1150(信長の内面を抉る革命的歴史小説)

■垣根涼介「信長の原理」2018年8月KADOKAWA刊

織田信長を描いた歴史小説・時代小説は、本当に星の数ほどあり、
大河ドラマでも何度も取り上げられて、たいていの作品なら、もう
読む気もしないが、本書を手に取ったのは、この作家が5年前に
発表した「光秀の定理(レンマ)」が、無類に面白かったから。

歴史小説をこんな風に描けるのか、その斬新さに痺れた経験があった。
↓5年前にこんな読書日記を書いたので、ご興味があれば。

https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1912866196&owner_id=5540901

さてさて、本作品ですが、今回も痺れましたですね。
惹句を紹介しましょう。

“何故おれは、裏切られ続けて死にゆくのか。信長の内面を抉る革命的歴史小説
何故おれは、裏切られ続けて死にゆくのか。”

“織田信長の飽くなき渇望。家臣たちの終わりなき焦燥。
焼けつくような思考の交錯が、ある原理を浮かび上がらせ、
すべてが「本能寺の変」の真実へと集束してゆく――。
まだ見ぬ信長の内面を抉り出す、革命的歴史小説!”

各界の著名人が、本書を絶賛しているようで、その声も紹介。

“歴史小説に確率論を導入した『光秀の定理』の画期は前兆に過ぎなかった。
パレートの定理を応用した『信長の原理』は、システム論的歴史小説という
壮大な実験だ。誰も見たことのない、まったく新しいエンターテインメント
の形がここにある。”
――斎藤環氏(精神科医)

“この本で信長は心理学者であり、それ以上に明敏な社会学者である。
あの謀反の原因も、信長の「社会学説」から解き明かされる。”
――大澤真幸氏(社会学者)

“史実を踏まえた奇抜な着眼!”
――谷口克広氏(戦国史専門・歴史研究家)

“司馬遼太郎も思いつかなかった、組織論と人事論に根拠を置いた戦国もの。
良い本と巡り合った!”
――菊池仁氏(書評家)

“「パレートの法則」を通して物事の本質を見る信長を描きつつ、
論理からこぼれ落ちる情の部分をもしっかりと描いている。
見事な一作という他はない。”
――縄田一男氏(書評家)

看板や著名人の書評に偽りなく、私も500頁超の本書を、3日間という
超短期で読み終えて、満足しています(^^♪

因みに、本作品でいう「原理」とは、どうもパレートの法則のようで、
人間社会では、2割の人間が、8割の仕事をしているというもの。

アリの世界で、本当に働いているアリが2割、そのアリに引きずられて
まぁ働いているアリが6割、後の2割は働いている振りをしているだけで
遊んでいるという説を読んだことがあるが、その原理にもあてはまる。

そういえば、「働かないアリに意義がある」という本を読んで読書日記を
書いたことを思い出しました。↓下記です。

https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1798169787&owner_id=5540901
17 17

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年01月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031