韻踏詩『騙されて人生終了』

子供の頃言われてた 手のかからない良い子だと

今も言われてる良い子だね

でも忘れてた前につく言葉 都合の良い子だなと 掠れた夢と希望 書かれたカルテには
『騙されて人生終了』



上京して大分慣れた東京 渋谷新宿にも良く行く休日 そこで声をかけられた いま思えば狙われた

相手スーツ 少し似てた俳優 窪塚洋介風

してる仕事はタレント勧誘 お決まりの言葉スターにならないか

なかった筈がない嫌い

期待もした思いもよらないこの機会

思い至らなかった後々痛み

連れていかれた駅から徒歩数分のマンション

簡素な室内に異質な椅子ベッド

座らされ 聞かされた説明もそこそこ

出された契約書 その下小さく書かれた文言制約事項ちょこちょこと

急かされて書いた書類 同時に男優登場

唐突に始まった撮影 ニヤつく顔のカメラマン 書いた以上は断るのダメだから その言葉に表情刻まれた陰影 繋がってしまった不幸の因縁

知らない間に裸は流れてた ネットの海原
表に出ないはずの裏側 ひっくり返されて裏切られた その代償は一体なんだった？

釣り合わないマネー 捕まらない相手 自称マネージャー

みんなが彼女を騙くらかし 通ってた大学にも流された 匿名通報

何の得で言うの？

疑問言えども気づかぬ彼女 良い子

『正義感の悪意』から遠い子 願った未来から遠ざけられた良い子

頭は決して良くはないけれど 性格は良好 本当 言われてた

だから他人を信じすぎた 都合の良い言葉に騙された いやわからなかった よく訓練 された笑顔の裏 に蹂躙 悪意の騙し 絡みとられ 流された




子供の頃言われてた 手のかからない良い子だと 今も言われてる良い子だね

でも忘れてた前につく言葉 都合の良い子だなと 掠れた夢と希望 書かれたカルテには
『騙され人生終了』