【企画】生きものを登場させた作品
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*注意
死、宇宙、前世来世など苦手な人は読まない事を勧めます。
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『まぎれもない生命』
ふと、自分が存在していることに気づいた。
今生まれたということではなく、おそらく以前から存在しているのだが、放心状態のような、あるいは睡眠状態だったのかもしれない。しかし、自分が生きものなのか、単なる物質なのかさえも分からない。ただ自己という枠の中で意識が存在しているということだけは分かる。
もし、生命とは呼べない物質の中でこの意識が開花したとすれば、死というブラックホールにやがて吸い込まれると意識する恐怖に苛まれることはないのだろうか。こうして思考が進んでいる事を考えれば、時間というものがあることにはなるだろう。存在に気づく前の時間は何れにせよ零であった事には違いない。零の反対側は無限大か?否、始まりがあれば終わりがあるはずだ。この意識には今のところ感覚がなく、自に対する他の働きかけが無い。意識がここに(場所はあるのか?)存在するとしても命と呼べるのだろうか。
今、私という記憶がある事に気づいた。
これは外部からの働きかけによる思考であるとは考えにくく、先ほど死に対する恐怖に触れた事を考えれば、以前(前世?)死の恐怖に怯えた経験を持つ私が存在していたのだろう。あるいは恐れていた死は実際には存在せず、意識が一度途切れてまた復活するというものなのかもしれない。
今のところ生に固執する意識はないのだが、その事はもしかすると神(万物の理)の計らいによるものかもしれないと思った。それは、生を続けるためには他の生を取り込(食う)まなければならないのだが、必ず食われるものが地獄(最大の快楽の反対)の苦しみを味わわなければならない理由は無いはずだからだ。
私が単細胞の思考か、あるいは多細胞の総体の多数決の思考、はたまた星という生きものなのかは今のところ分からないが、確実に言えることは、私はここに生きているということである。
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