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2016年07月30日13:41

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詩『カラ』

『カラ』


このところの湿気と暑さにやられたか、日中食欲が無い。
鉢から植えかえた花壇の草花もしおれてしまって、立っているのがやっとの様子。

深夜、

エアコンのきいた夢の途中、
頬をなでていた木もれ日のやわらかな光が、
しだいに力を増し、
額に重く照りつければ、
しぶり出た汗がたぎりながら、
私を現へとはじき出してしまった。

無風の部屋が私を閉じこめていた。
肌には汗がはりついて体が重い。
息をすれば、肺と部屋が一つながりになって、
全てが空虚に感じられた。

喉は胃袋にもつながっている。

突如襲われる空腹
楽器のように音が響く空洞
綱渡りのように両手を広げておりる階段は
揺れて、揺れて、
頭から落ちないことを願いながら
たどり着く
一階。

とりあえずの冷蔵庫の中は
あざ笑うように明るくて四角い。
米びつの横に隠れている筈のカップメンを思い浮かべながら、
オイリーなブタと
ジューシーなキツネと
スパイシーなウシと
どれだ!
と扉を開ければこちらを向くキツネ。

お湯が再沸騰する間も待てず
キツネの背から上がる湯気。
同じく待ちきれない唾液が
赤いカーペットの上に広がる。

私の花はここに咲いたのである。





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