マイミクの綾華☆☆様がスタートされた新たなリレーエピソード『から騒ぎの感謝祭』 プロローグの第7回です。
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EXリレーエピソード『から騒ぎの感謝祭』
綾華☆☆
take-00 η
January 25th PM02:40
ガッツポーズをしながらエメラルドキングジョーから遠ざかるタカフミの駆るスカイホエール。だがエメラルドキングジョーはスカイホエールにペダニウムキャノンの銃口を向ける。そのとき太陽を背に、巨大なエメラルドグリーンの機体と銃口に一気に迫るアフリカの鷹。勿論ゼロだ。両手に構えたツインソードは、プラズマスパークの淡い緑色の輝きを帯びている。
「デエェェェーッ!!」
淡い緑色の刃が一閃。エメラルドキングジョーの腕部をペダニウムキャノンもろとも聖なる輝きで焼き払う!
メビウスもまた渾身の力を振り絞り、タカフミが両断した下半身にメビュームブレードを貫通させる。
エメラルドキングジョーは残るのは頭部のみ。
「逃がすかよっ!」
“待つんだゼロ。メビウスさんのダメージが心配だ。それに”
ソラに促されて見ると、スカイホエール、TACスペース、ウルトラホーク1号に合流してくるパシフィカの大編隊。既に円盤生物の大群は大空から一掃されている。
>ゼロ、メビウス。後は私達に任せて!<
サヤの声がスピーカーとソラのピア・フォンから聞こえる。
「こりゃサヤ達に任せたほうが良さそうだな。メビウス、大丈夫か?」
「流石にペダニウムキャノン直撃は強烈でしたね。でも大丈夫です。ただ数日は変身出来ないかもしれませんが」
“すみません、ミライさん。……そうだ、今度食事でも奢らせて下さい”
「メビウス、ソラ。見ろよ」
ゼロに促されて見ると、B・i・R・Dジャパンと二つのパシフィカの戦闘機達が、残るエメラルドキングジョーの頭部をを追いたてていた。パシフィカイーストのザッパ・ヘンドリックスが号令をかける。
>パシフィカ、ジャパン。一斉にスペシウムミサイルで撃ち抜くぞ!<
逃げ切ろうとするエメラルドキングジョーの頭部。だが何度も死線をくぐってきた猛者たちから逃れるすべは既になかった。
一斉に放たれたスペシウムミサイルはあやまたず、緑色の破壊兵器の頭部を爆発四散させた。
「……しかし物騒なモノ来やがるな。ソラ、メビウス」
「それだけ宇宙の戦場が、地球に近づいているんです」
“ゼロ、ミライさん。そろそろ下がりましょう”
ソラの呟きに、ゼロは親指を立て、メビウスはVサインをジャパンとパシフィカの戦闘機に向けて示すや、遥か天空に飛び去るのだった。
January 25th PM08:30
B・i・R・Dジャパンアリーナのシャイニードームの一角で光成号令補佐官は、ニューヨーク総本部へ提出する本日の出撃レポートを作成していた。普段は使った弾薬や燃料、市民に被害があった場合の報告書で充分なのだが、今回はレストア戦闘機についての報告書も必要なため、長く端末へ向かっていた。
一息入れようと、コーヒーメーカーのスイッチを入れた時に、卓上に数台ある電話機の一つが鳴った。それは光成補佐官直通の専用ホットラインだった。
この番号を知っていてアクセス出来るのはほんの僅かだ。眉間に皺を寄せながら、光成補佐官は受話器を取った。
「B・i・R・Dジャパンアリーナです」
>光成号令補佐官、お久しぶりです。夢野市役所市長室、筆頭秘書の南雲です。
明日、市長から、真柴号令にアポイントメントをいただきたいのですが<
「……私では話になりませんか?」
>市長自ら、真柴号令にお話したいことがあるそうです<
受話器を置いたとき、補佐官の眉間の皺はいっそう深くなっていた。
January 26th AM11:30
少々めかし込んだ私服姿で、ソラはアリーナのガレージから愛車のビートルを発車させ、ゲートを目指し運転していた。今日は久々のウミとのデートだ。
だが途中で、ソラは私用の携帯電話を情報部へ取りに行くのを忘れていたため、情報部のある棟へ一旦クルマを回した。
“全く、久々のデートだからって浮かれ過ぎだぜ。ソラ!”
携帯電話を情報部で受け取るソラを、ゼロが冷やかす。
「そんなこと言わなくても。あ、もうこんな時間だ」
ランチの後は、夢野市立博物館で開催中のクリムト展に行く予定なのだ。
だが再びビートルに乗り込みエンジンを起動したとたん、ゼロが激しく緊張する。
“ソラっ、なにか来やがるぜ”
「まさか怪獣? 宇宙人?」
ソラはビートルのエンジンの回転を上げながら、油断なく周囲を見渡す。すると黒塗りのトヨタクラウンがビートルの後ろを通り過ぎ、シャイニードームへ通じる入口の前で停車した。入口の前には光成号令補佐官が迎えに出ていて、クラウンから降りて来た男たちに挨拶している。
「あれは、市長?」
“なんでラーダとカディシュがアリーナに?”
ゼロもソラもまるで見当がつかない。だが、ソラはビートルをそのままゲートに向けて発車させた。
確かに彼らは読めない相手で心を許せない面があり、向こうもこちらを試したことのある間柄だ。だが補佐官が出迎えに出ている以上、少なくとも今は自分の出る幕ではない。万一悪しき意図を秘めていれば、ウミが警告してくれるだろう。
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