mixiユーザー(id:7656020)

日記一覧

 単にクラシックが好きなだけでなく半端にオーディオのことも知ってたりすると、優秀な録音の盤を聴くよりはるかに多くの時間を悪い録音の盤に費やすことになります。せめてできるだけまともなバランスに直した上で、演奏について判断したいとどうしても思っ

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*シンクロ「そ、そんな……っ」 そういうのがやっとのまま、喘ぐばかりで言葉を継げぬ省次。だが濃緑の女面の形相が、なにより全ての根を引き抜きゴジラに巻き付けたその姿が決して再生せぬままここで死ぬとの英理加の覚悟を刃のごとく突きつける。そのとき

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*最悪のゴジラ その驚愕を意識の端で感じながらも、それは省次の注意を引かなかった。意識が完全に英理加に向いていたから。「今ではゴジラを憎んでいる人は凄い数で、その人たちの中には僕たちが芹沢の一族だから憎しみをぶつけずにはいられない人もいます

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*強いられた憎悪 思いもかけぬ機龍の反応に呆気にとられかけた省次だったが、次の瞬間そんなものは脳裏から消し飛んだ。ビオランテが怪獣にとっては浅瀬でしかない港の底に張った根を次々に引き抜くや、ゴジラの胸から肩に至る部位をも絡め取り、溶解液によ

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*驚愕「ゴジラに、なる。このまま、では、最悪の、ゴジラ、にっ」「最悪? なぜ」 いいかけた省次が絶句する。ほんの少し目を離した間に、英理加の上体は胴までがゴジラの体表に変じていたのだ。そんな黒き浸食を拒むかのように己が胴に爪を立てつつ身をよ

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*焚書 それは1975年に亡くなった山根博士の没後40周年に向け膨大な遺稿を全集として刊行しようとした出版社が現れた、10年前の事件だった。ゴジラ出現の時にはその保護と研究の重要性を唱えた博士だったが、芹沢博士という愛弟子を喪った痛手ゆえ公

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*手負いの魔獣「白神さん、白神さーーん!」 鼓膜が破れそうな絶叫に思わず耳を押さえつつも、省次もまたあらんかぎりの声で叫ぶ! すると仰け反った反動で前のめりになった緑の上体をわななかせながらも歯を食いしばった顔が上がり、堪え切れぬ痛苦ゆえか

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*同化「白神さん、無茶です!」 背後から叫ぶ若者に、肩越しに振り返った緑の顔が告げる。「無茶じゃないわ、予定が早まっただけ。見てわからない? ゴジラ細胞がないことを除けば、私の体組織はもうあの子と同じになってるのよ」「でも、そのゴジラ細胞が

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