■池井戸潤「ロスジェネの逆襲」2015年9月第2刷文春文庫
先週の休日に、村上春樹の「職業としての小説家」をゲットするために
新宿の紀伊國屋書店に行ったら、半沢直樹の大キャンペーンをやって
いて、つい手に取り、村上春樹本より、先に読み終えてしまった。
本作品は、「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」に続く、
半沢直樹シリーズの第3弾。
一昨年TV放映され、爆発的人気を得た、半沢直樹のTV放映分の原作は
一作目と二作目で、最後に出向を言い渡された半沢直樹の出向先での
大活躍が、本書の物語。
作品自体は、面白くて、一気に読み終えてしまったが、この半沢直樹シリーズ
は、池井戸さんの、企業を舞台にしたエンタテインメント小説の傑作ですね!
とにかく痛快。勧善懲悪。池井戸さんが、どこかで、自分の企業小説は、
チャンバラ劇だと言っていたが、まさにそう。
先の二作品は、TVで観たので、原作は読んでいなくて、その後の
物語も気にはなったが、単行本刊行では、手にとっていなかった。
又吉の「火花」で、有卦に入っている、文藝春秋社は、本書の文庫版
の刊行を機に、大キャンペーンを展開していて、先週号の「週刊文春」
では、伊集院静さんの人生相談にまで、半沢直樹シリーズのキャラクターが
数人「闖入」して、相談していた。
本書を購入したら、ごていねいに、半沢直樹の名刺もお付けします、
ということで、「東京セントラル証券 営業企画部長 半沢直樹」の名刺も
ゲット。
ちょっと悪乗りの度が過ぎると思ったが、気を取り直して、お守りとして、
職場の名刺フォルダにしのばせておこうと思った次第♪(笑)
あれこれ無駄話をしてきて、遅ればせながら、本書の惹句を紹介。
“ドラマで大人気の「半沢直樹」シリーズ第3弾! ! ”
“人事が怖くてサラリーマンが務まるか!
ドラマ化も果たした「半沢直樹」シリーズ第3弾となる『ロスジェネの逆襲』は、
バブル世代の主人公が飛ばされた証券子会社が舞台。”
“親会社から受けた嫌がらせや人事での圧力は、知恵と勇気で倍返し。
ロスジェネ世代の部下とともに、周囲をあっと言わせる秘策に出る。
直木賞作家による、企業を舞台にしたエンタテインメント小説の傑作! ”
そういえば、半沢直樹の「倍返しだ」というセリフは、一箇所しかなかったが、
まぁとにかく、ディテールがリアリティの粉飾をまとって、物語の展開が
どんでん返しの連続で、キャラクターがみんな立っていて、完全無欠の
エンタテインメントだった。
組織で働くことは、思うようにならないことが多いが、そんな日本のサラリーマン
にとって、日頃の憂さ晴らしには、もってこい。
ただ、どこかで、佐藤優さんが若者向けに書いていたが、現実の組織では、
決して半沢直樹気取りで事を起こさないようにとのこと。
まぁ、皆さん、わかっていると思いますが♪
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