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2015年03月26日23:12

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■獺狐余話(173) / 「死んだハトは『ハト』と呼べるか?」

●2015年03月26日(木)  晴れ

 ▼「ナラトさん。
   目、覚めましたか・・・?」

  「ああ、キツネくん。
   よーう寝たなぁ、体がすっきりしたよ!」

  「春は眠たくなる季節のようですが、それにしても
   ナラトさんは、よう寝ますねぇー!」

  「キツネくん、コンコンと眠ると疲れがとれるし・・、
   酒もタバコも口にしないし、一食ぬいたら体重も減るし、
   いいことづくめ、なんだ・・・」

  「コンコンなんて、つまらん冗談は、ゆわんとってください・・」


 ▼「ところで、キツネくん。
   土屋先生の設問『火は消えると、どこへ行くのか?』の『話』、
   まだ、終わってなかったよねぇ・・・」

  「ああ、その件ですか。 もう、オレ、自分で考えますから、
   いいんです・・・」

  「あっそう、それならいいんだけど・・・」

  「オレ、いま、ナラトさんの『あったことは、なくなりはしない』、ちゅう命題も
   吟味しているんです・・」

  「ふーむ、そうなんだ。
   いよいよ、『哲学するキツネ』になっていくじゃないか・・」


 ▼「からかわんといて、ください・・。
   でも、オレ、『火は消えると、どこへ行くのか?』とゆう、土屋先生の
   『設問』も、ちょっとおかしいと思うのです・・・」

  「ほーおう、そうかい。土屋先生は、何でも疑え、先生の言うことも
   間違っているかもしれない、だから、自分の頭で考えなさい・・、
   と言っていた。

  哲学者の説を鵜呑みにしたり、哲学の歴史をどんなに知っても、
  それは『哲学』したことにはならない。『哲学』とは『自分の頭で考える』と
  いうこと。 そういうことを先生はおっしゃっていた。

  そして、考えるとき、その『設問』や『命題』そのものが誤っている、
  つまり、考える対象がそもそもナンセンス、意味のない場合があること
  そのことを指摘していた。

  あの「本」の副題、『なぜ人間は8本足か?』という設問は、2本足の人間に
  『なぜ8本足か?』と、問うことのナンセンスを示している。
  そして、哲学的思考の多くは、そのようなナンセンスな事柄を問うている
  ということの、例証だった・・・」


 ▼「ナラトさん。
   そのことは、オレも十分わかりました。 しかし、土屋先生が例としてあげた
   『火は消えると、どこへ行くのか?』は、まずい例示だと思います。

  つまり、『消えたハト』や、『消えた子ども』とは、『消えた火』はちがうのです。
  『火』は、『ハト』や『子ども』のように、はっきりした物体ではないのです・・。

  『火』は燃焼とゆう現象で、物質レベルでは、炭素なら炭素が酸化して
  燃焼することです。 鉄も酸化し、マグネシウムも酸化します。
  酸化するとき、「燃える」と人間に見える『燃焼』とゆう現象を顕わすものと
  そうでないものがあります。

  物質レベルでは、どれも同じ『酸化』です。

  しかし、『火』とゆうのは、物質が織りなす『現象』です。
  もし、『火』を物質レベルで見れば、燃えた炭素は二酸化炭素になるなどして
  消えてはいないのです」


 ▼「ふーむ、なるほど。
   そう考えれば、そうとも言えるような気がするなぁ・・」

  「そして、オレが考えるには、ひょっとすると、『ハト』も『子ども』も
   『火』と同じような、物質の織りなす『現象』と考えれば、『消える』ということは
   どうゆうことか、問題が発生するのです・・。

  つまり、『ハト』も『子ども』も目に見える物体です。
  しかし、もし、これを燃やしたらどうなりますか・・・」


  「おい、おい、キツネくん。
   ずいぶん、残酷な想定だなあ・・・」

  「ナラトさん。 
   これは決して、残酷な想定ではありません。 実際、人間は土に埋められ
   川に流され、海に捨てられ、ハトだって、どこかで人知れず死んで、他の鳥や
   虫の餌になり、微生物の栄養となり、あるものは土のなかで、あるものは
   他の生物の体内に取り込まれています・・」


  「ふーん、なるほど。
   でも、死んでしまった『ハト』や『子ども』は、『ハト』あるいは『子ども』と
   呼べるだろうか・・・」


  「ナラトさん。
   そこなんです。 では、『ハト』とは一体なんなのか、『子ども』とは
   一体なになのか・・」


 ▼「いよいよ、『哲学的』になってきたねぇ・・」

  「オレ、この『話』、きょうで終わると思うとったので、タイトルは
   『目に見えないものと、見えるもの』としておったのですが、
  『死んだハトは「ハト」と呼べるか、死んだ「子ども」は「子ども」と呼べるか』に
  改めようと思うのですが・・・」


  「おい、おい、キツネくん。
   それは、ちょっと過激ではないかねぇ・・」

 「じゃあ、前半分をタイトルにします・・」

 「うーむ、・・・まあ、いいか」


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