なんのためにあったのか分からない
台所と居間を仕切るスダレなジャラジャラ
ときどき父ちゃんに引っかかって
あえなく畳に落下
「えーい、くそ」
ドタバタと元の位置にかけられて
ご飯ができたと母ちゃんが言うから
台所に取りにいくとき
ぼくの額にあたって
「あいた!」
弟がすかさず
「誰に会いたいん」
姉ちゃんが弟に攻撃
「馬鹿やないん」
ぼくが追い打ち
「阿呆やないん」
一番行き来する母ちゃんは
背が低くて当たらないけど
ガラス戸を閉めるときに
端っこを挟んで
閉めなおす
「ああん、もう」
なんのためにあったのか
もしかしたらこうして今
詩に書かれるためにあったのか
無かったとしたら
テレビが
「一件落着」
と言っている
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