mixiユーザー(id:60260068)

2015年01月28日22:10

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詩『 邪 』


正気を失った時にこそ骨にひそむ悪が
舌切り雀の大きな箱から
築きあげた柔らかな肉を突きやぶり
隠し続けたするどい棘が突きやぶり
毒液を吐きながら止めどなくぞろぞろと
己がわけも分からずおそれるものは
己の真のすがたを鏡にうつし
己から一番遠い地へと
逃げて逃げて
巌窟を貫いて
いつか這い出るときの償いに
路をとおし
光をとおし
そこに曝け出した己のすがたが
光にかすんで見えなくなるように
闇にきえてしまうまえに




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