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2014年12月20日23:50

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■獺狐余話(129)　/　「10年契約」　(2)

●2014年12月20日(土)　　　雨

　▼「ナラトさん。

　　　『話』の続き、なんですが・・、その、『１０年契約』の、生きる『義務』って、
　　　いったい、何のことですか・・？　
　　　ふつう、生きるのは『権利』でしょう・・・」

　　「あははは・・、キツネくん。
　　　まだ、その『話』、覚えてたの？
　　
　　　きみは、あしたの『What's　new　?』や、『narato スペシャル』の
　　　ホームページ作りで忙しくしているから、ボクは、てっきり、
　　　もう、その『話』は忘れたのかと、思っていたのだけれど・・・」

　▼「ナラトさん。
　　　オレ、まだ、ボケてませんよ。　中途半端なことは、
　　　気になるほうです・・」

　　「いや、それほど、気にかける『話』じゃないよ・・」

　　「いえ、『権利』ではなく、生きる『義務』となれば、そりゃ、
　　　ちょっと、気になります。
　　　もちろん、『権利』があったって、１０年、果たして生きられるか、
　　　それは、わかりません・・。

　　　でも、『義務』となれば、もし、１０年生きられなかったら、
　　　それは、契約違反で、債務不履行、ちゅうことで、
　　　損害賠償の『責任』も発生してきます・・・」

　▼「キツネくん。
　　　きみも、人間社会になじんできて、ずいぶん、むつかしいこと
　　　言うように、なったじゃないか・・」

　　「ナラトさん。
　　　別に、人間社会でなくとも、オレたち、キツネにも、キツネ同士の
　　　約束、ちゅうか、掟(おきて)、ちゅうか、ルール、とゆうようなものが
　　　あります。

　　だから、約束を守らなければ、罰が与えられます・・」

　　「ふーん、それは、そうだね。
　　　動物でも集団生活するものは、仲間の間に、決まりは
　　　生まれてくるもんだ・・・」

　▼「で、いったい、誰と『１０年契約』したんですか・・。
　　　まさか、生命保険会社じゃ、ないでしょうね？」

　　「あははは・・。保険会社と、『１０年契約』してどうするんだ・・、
　　　それでは、保険会社が丸儲けになってしまうよ。

　　実は、うちの奥さんと、なんだけど、
　　『あんた、あんたには、あと１０年、生きててもらわんと、ワタシが困る』
　　と、言われてね・・・。
　　それで、つい、『はい、１０年、生きます』って、言ってしまったんだよ・・」

　▼「あははは・・、なんだ、そんな事ですか」

　　「きみ、きみ、そんなに、笑わないでもらいたい・・。
　　　実際、笑いごとでは、ないんだから・・。

　　考えてもみ給え。
　　こないだ、言ってたように、これまでの１０年と、これからの１０年は、
　　同じ１０年でも、質的に、まったく、異なるだろう・・。

　　なり行きで、『はい』と、答えたものの、正直、１０年生きる自信なんか
　　まるでないし、・・・」

　▼「ははは・・。　それは、誰だって、先のことはわかりませんよ。
　　　１０年、生きるか、どうか、そんなの、誰にもわかりません」

　　「だろう、そうすると、約束を守るためには、健康にも留意しなくては
　　　ならないし、早寝早起きをして、散歩・体操・睡眠など、規則正しい
　　　生活を心がけなくては、ならないように、なってくるじゃないか・・」

　　「あはは・・。
　　それで、オレに、『毎日更新』のこと、ゆうとったのですね。

　　ああ、ナラトさん。
　　ご心配には及びません。　オレ、自分で考えて、ナラトさんの
　　あと、やっていきますから、ナラトさんは、もう、パソコンなんかやめて、
　　健康的な生活をしては、どうですか。

　　なんなら、ご希望の、それこそ、『ボーっ』として、一日を暮しては
　　どうですか・・・」

　▼「キツネくん。
　　　きみって、けっこう、冷たいね・・・。　ボクが困っているのに、
　　　親身になって、考えてくれない、なんて・・・」

　　「いいえ、オレ、確信しています。
　　　ナラトさんに、そんな『健康的な生活』は、絶対に無理やと
　　　思うています。

　　第一、そんなことすれば、もう、ストレスがたまって、たまって、
　　しょうがないでしょう。　
　　そんな、ストレスこそ、もっとも『不健康』だと思います・・。

　　だったら、基本、いままでどおり、能天気なのが、一番『健康的』や
　　と、オレ、思います・・・」

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