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2014年11月06日17:38

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詩『ケン坊の記憶』


あのケンちゃんの名前は、
ユウちゃんでも
ショーンでもいいい

顔の表情がいつもより大きく変わると
(別人みたい)で
〈ケンちゃんだよね?〉と訊きたくなる

眉があり、目があり、鼻、口、

「おばあちゃん、久しぶり〜」
《どちら様ですか?》
「え〜っ、ケンだよ」
《あ〜、ケン坊ね!よ〜う来たね〜》

眉があり、目があり、
呼びなれた名前の孫との思い出が蘇る

《早よう彼女ば作らんばね》
「俺はもう、結婚して子供がおるばい」
《あいや、そうねぇ、そりゃ良かったぁ》

眉があり、目があり、
写真たての人は誰か

《あん人が誰じゃいろ分からんとさ》
「じいちゃんたい、愛する砂夫さんたい」
《ありゃっ、砂夫さんね》

《今度ケンちゃんの写真ば持って来てくれんね》

眉があって、目があって、鼻があって、

「よかばい。じゃあまた来っけん」

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