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2014年02月12日02:53

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■順不同(17) /　変わり種の「年表」

●2014年02月12日(水)　　

　▼『日本史<５０年周期>逆引き年表』が届いた。
　　ヘンな年表である。

　　見出しの『年号』は、「２００１年～２０５０年」までの５０年間。
　　ちょっと見には、「えぇっ、『未来年表』？？？」かと思う。

　　実は、見出しの『年号』のところに、その年から５０年前・１００年前・
　　１５０年前・２００年前・・・、と５０年周期で溯って、２０００年前までが
　　書いてある。

　　収載されている出来事は、西暦元年から２００４年まで。
　　２００６年(平成１８年)１月、吉川弘文館から刊行された。

　▼約１年をかけて、「大日本史料」をはじめとして、各種「年表」を
　　参考にして作成されており、西暦・和暦・閏月のほか、干支(えと)、
　　在位の天皇・将軍も記載されている。

　　どんな目的で作られたか、というと、
　　「イベント企画・スピーチ・エッセイ・自分史」などの執筆に
　　どうぞ、となっている。

　　索引、西暦・和暦対照表、日本年号一覧(読み付き)、天皇一覧(読み付き)
　　が付録にあって、約３００ページの「年表」だ。

　▼ちょっと前から「賀川豊彦」と「平生釟三郎」の自伝・伝記と日記をパラパラ
　　読んでいる。
　　いまは、「八王子織物史」「八王子織物工業組合百年史」を見ている。

　　それで、いまも使っている高校の時の「年表」より、も少し詳しいものを
　　と思い、この年表をインターネットで1,000円(定価4,300円)ほどで買った。

　　５０年前、１００年前に、「賀川」や「平生」や「八王子」や「我が家」は
　　どうだったんだろう。年表にそれらを書き加え、さらに関係する事件や
　　人物も書き加える。
　　また、教育分野や、農業・工業・商業など産業分野や、購買組合・農民組合・
　　労働組合・医療組合・信用組合など、組合分野の活動や状況も書き込んだら
　　どうなるんだろう。

　▼何でも、言い伝えでは、豊臣秀吉が八王子城を攻めたとき、北条方の
　　足軽みたいな男が尼寺に赤子を預けたことがあって、その子が我が家の
　　初代で、以来、ほとんどが八王子近辺で暮らしてきたらしい。

　　近代になって、「ハタヤ」を生業にしており、「織物史」と「百年史」の
　　中から見えてくる「我が家の歴史」と、賀川や平生の年譜・日記とを、
　　照らし合わせたい、というのが、目下の関心である。

　▼で、この変わり種の「年表」の今年「２０１４年」から、関心のある
　　項目の主立ったものを拾うと、次のような記載がある。

　　［５０年前］　１９６４年・昭和３９年　甲辰
　　　　・第三次池田勇人内閣(～11.9)
　　　　・第一次佐藤栄作内閣(11.9～)

　　　　04.28　経済協力開発機構(OECD)に加盟。
　　　　05.17　国会、ＩＬＯ８７号条約を承認、6月21日批准書寄託。
　　　　06.16　新潟を中心に大地震(新潟地震)、Ｍ7.5。
　　　　10.01　東海道新幹線、開業。
　　　　10.10　第18回オリンピック東京大会、開催。
　　　　11.12　全日本労働総同盟(同盟)、結成。
　　　　11.17　公明党、結党大会。

　　　　<国外>
　　　　08.02　トンキン湾事件、4日、米軍機が北ベトナムを爆撃。

　　　　・物故者
　　　　　尾崎士郎(2.19、66歳)、三好達治(4.5、63歳)、堤康次郎(4.26、75歳)
　　　　　佐藤春夫(5.6、72歳)、野村吉三郎(5.8、86歳)、大野伴睦(5.29、73歳)
　　　　　杉山元治郞(10.11、78歳)、広沢虎造(12.29、65歳)、三木露風(12.29、75歳)
　　　　・文芸
　　　　　大江健三郎『個人的な体験』、三浦綾子『氷点』(～昭和40年11月14日朝日連載)
　　　　・スポーツ
　　　　　王貞治、年間本塁打55本の日本新記録。
　　　　・歌
　　　　　｢ああ上野駅｣｢愛と死をみつめて｣｢アンコ椿は恋の花｣｢お座敷小唄｣
　　　　「幸せなら手をたたこう｣｢忘れな草をあなたに｣
　　　　・映画
　　　　　｢愛と死をみつめて｣｢赤い殺意｣｢越後つついし親不知｣｢砂の女｣・
　　　　　｢シェルブールの雨傘｣｢007・危機一発｣｢マイ・フェア・レディ｣
　　　　・テレビ
　　　　　｢赤穂浪士｣｢木島則夫モーニングショウ｣｢七人の孫｣｢題名のない音楽会｣
　　　　　｢逃亡者｣｢ひょっこりひょうたん島｣
　　　　　

　　［１００年前］　１９１４年・大正３年　甲寅
　　　　・第一次山本権兵衛内閣(～4.16)
　　　　・第二次大隈重信内閣(4.16～)

　　　　01.12　桜島、大噴火。溶岩により大隅半島と地続きになる。
　　　　05.29　海軍軍法会議、三井物産・シーメンス社からの収賄容疑に有罪判決。
　　　　08.23　日本、ドイツに宣戦布告。第一次世界大戦に参戦。

　　　　<国外>
　　　　07.28　第一次世界大戦、始まる。
　　　　08.15　パナマ運河、開通。

　　　　・物故者
　　　　　石井十次(1.31、50歳)、青木周蔵(2.16、71歳)、昭憲皇太后(明治天皇皇后)
　　　　　(4.11、65歳)

　　　　・文芸
　　　　　芸術座『復活』を初演(3.26～3.31)、阿部次郎『三太郎の日記』(4.8)、
　　　　　夏目漱石『心』(「朝日新聞」4.20～8.11『こゝろ』)、森鴎外(『安井夫人』
　　　　　「太陽」4月)、日本美術院再興・開院式(9.2)、二科会第1回展(10.1～31)
　　　　　高村光太郎『道程』(10.25)

　　　　・この年
　　　　　大正琴、流行。

　　［１５０年前］　江戸後期　１８６４年・元治元年(2.20)　甲子
　　　　・孝明天皇
　　　　・将軍/徳川家茂

　　　　03.22　フランス公使ロッシュ、着任。
　　　　03.27　天狗党の乱。
　　　　04.22　江戸、大火。
　　　　05.17　横浜鎖港・談判使節、パリ約定に調印。鎖港は断念。
　　　　06.05　池田屋事件。
　　　　07.11　佐久間象山、暗殺(54歳)。
　　　　07.19　禁門の変。久坂玄瑞(25歳)ら自刃。
　　　　07.20　幕府、京都兵火により、六角獄中の平野国臣(37歳)ら処刑。
　　　　07.24　幕府、萩藩征討の勅命を受け、西南21藩に出兵を命ず(第1次長州征討)。
　　　　07.24　幕府、英仏米蘭の各国に公使・領事にパリ約定廃棄を宣告。
　　　　08.05　４国連合艦隊、下関を砲撃。
　　　　12.27　征長総督、萩藩征討の撤兵を命ず。
　　　　
　　　　<国外>
　　　　06.16　清、太平天国の乱。滅亡(1850年～1864年)。
　　　　08.22　ジュネーブ条約(赤十字条約)、12カ国により調印。

　　　　・物故者
　　　　　堀田正睦(3.21、55歳)、鍵谷カナ(伊予絣創始者)(5.28、83歳)、久坂玄瑞
　　　　　(7.19、25歳)、平野国臣(7.20、37歳)、歌川国貞(12.15、79歳)

　　　　・この年
　　　　　琉球国、清に遣使、進貢して国王の冊封を請う。
　　　　　フランス、パスツールが低温殺菌を考案。

　　　
　　以下、２０１４年の項は、200年前/250年前/300年前・・・と、記載はつづく。

　　『日本史<５０年周期>逆引き年表』は、こんな記載方法で２００１年から
　　２０５０年までの年号で、いまから２０００年前まで記載してある。

　▼さて、いま見たこの今年「２０１４年」であるが、
　　・５０年前(1964年・昭和39年)、私は数えで２０歳(満年齢であれば、
　　　18歳から19歳)、高校を３月に卒業し、４月大学に入学、７月誕生日を迎え、
　　　８月には出雲大社から西に日御碕神社近くの小学校で応援団の合宿をした。
　　　１０月には、中学校のとき、廊下の掲示板に貼られていた壁新聞で見た「新幹線」が
　　　　走り、驍将寮の家主の居間で観音開きの大きな扉を開帳して「カラーテレビ」で
　　　「東京オリンピック」を見せてもらった。
　　　そして、アメリカの北ベトナムへの爆撃『北爆』が始まったのも、この年だ。

　　　当時、先のことなど、私は、なんにも考えていなかった。
　　　そして今、数え７０歳になって、こうして、表で５０年前をまじまじと見る
　　　などと・・。

　
　▼次は１００年前を見てみる。「１９１４年・大正３年」も、戦争の年だ。

　　第一次世界大戦がはじまり、日本はドイツに宣戦布告し、参戦した。
　　そして「11月に青島を攻略し、その後は申し訳程度に地中海に小部隊を
　　送るだけで、火事場泥棒的に、日本全土に記録的な好景気をもたらした。
　　(その６年後、１９２０年・大正９年には、「大正のガラ」と称される
　　株式暴落、バブル崩壊の大不況がやってくるのではあるが・・)」
　　(「八王子織物工業組合百年史」から要旨の抜き書き)
　
　　父方のハタヤは、この頃が全盛期で、曾祖父・茂吉は「博多平(はかたひら)」という
　　袴地の織布技術の改良で、大正６年に組合から特別表彰を受け銀盃を授与されている。
　　また茂吉は、大正８年、大横町の大善寺にあった「機守神社」の修復の世話人の
　　一人となり、自らも「金五十円」を寄付している。　

　　曾祖父・茂吉は、万延元年(1860年)に生まれ、大正８年(1919年)に享年60歳で没した。
　　祖父・長次朗は、明治１５年(1882年)に生まれ、大正１４年(1926年)に享年45歳で没した。
　　父・琢磨は、大正９年(1920年)に生まれ、平成元年(1989年)に享年70歳で死んだ。

　　大正３年、茂吉は数え５５歳、長次郎３３歳。父・琢磨の生まれる３年前である。

　　父はちょうど「大戦バブル」がはじけた大正９年に生まれ、私にとって祖母・セキが
　　大正１３年に享年41歳で、曾祖母・イセが大正１５年に享年63歳で相次いで
　　亡くなっている。
　　大正から昭和に元号が変わる年、父は数え年７歳にして、父も母も祖父も祖母も
　　亡くし、直系尊属のいない「孤児」であり、わが一族(茂吉の子・孫全員)の「家長」と
　　なった。
　　幼い「戸籍筆頭者」の父・琢磨の名の下に、父の叔父叔母・従兄弟など全員で２０人の
　　名前が連ねられた。

　　大正８年の「茂吉の死」から始まる相次ぐ親族の死は、まるで「暗い昭和史」を
　　先取りするかのようであり、「八王子織物百年史」や「我が家の物語」の困難の
　　始まりでもあった。
　　

　▼しかし今は、同じように、この年「１９１４年・大正３年」を、平生釟三郎と
　　賀川豊彦の「年譜」で、その時代を見てみようと思う。
　
　　細部は、「日記」や「自伝」・「伝」に書かれているところに譲るとして、
　　二人の生年から明治・大正までの「年譜」を「伝記」類の二、三の書から書き写すと、
　　以下の通りである。

　　まず、平生釟三郎(慶応２年・1866年～昭和２０年・1945年)から見ていくが、
　　「１９１４年・大正３年」は、この年、数え４９歳である。

　<年譜>
　　慶応２年(1866年)　田中時言(ときのり)三男として、美濃国加納町に生まれる。
　　明治６年(1873年)　憲章校(のちの加納小学校)に入学。
　　明治12年(1879年)　岐阜中学校に入学。
　　　　　　　　　　　　　　渋沢栄一・大隈重信ら、日本初の海上保険で本格的株式会社
　　　　　　　　　　　　　　「東京海上保険保険株式会社」を設立。株主は三菱・岩崎弥太郎、
　　　　　　　　　　　　　　岩倉具視、旧藩主ら。
　　明治13年(1880年)　上京。
　　明治14年(1881年)　東京外国語学校に入学。
　　明治18年(1885年)　東京商業学校・第3部(語学部)に編入。
　　明治19年(1886年)　東京商業学校(のちの高等商業学校・一橋大学の前身)入学。
　　　　　　　　　　　　　　平生忠辰の養子となり、「田中」姓から「平生」へ。
　　明治23年(1890年)　高等商業学校を卒業。同校付属主計学校・助教諭。
　　明治24年(1891年)　朝鮮の仁川税関に招聘され、朝鮮政府の高級官吏となる。
　　明治25年(1892年)　日本生命・片岡直温が日本海陸保険、安田財閥・安田善次郎が
　　　　　　　　　　　　　　帝国海上保険を設立、東京海上保険のライバル出現。
　　明治26年(1893年)　兵庫県立神戸商業学校の校長に迎えられる。
　　明治27年(1894年)　東京海上保険株式会社に入社。
　　　　　　　　　　　　　　7.25日清戦争が勃発。
　　明治29年(1895年)　同社の大阪支店を開設。
　　明治30年(1897年)　大阪支店長赴任し乱脈経営改革。ロンドン支店長として赴任。
　　明治32年(1899年)　ロンドン支店を整理・閉鎖、サンフランシスコ代理店も整理、帰国。
　　　　　　　　　　　　　　東京海上、これまでの放漫経営で資本金を半減。無配に陥る。
　　明治33年(1900年)　同社の全権を各務・平生に委任。大阪・神戸支店長に赴任。
　　明治34年(1901年)　日本海陸保険、東京海上に倣いロンドン進出、大損で倒産。
　　明治37年(1904年)　日露戦争、始まる。
　　明治38年(1905年)　日露戦争、終結し、2年間で東京海上100万円の利益。
　　　　　　　　　　　　　　減資半減分(375,000円)を復元。旧株主にも配当。
　　明治40年(1907年)　東京海上、４割配当。　
　　明治43年(1910年)　同職に在任しつつ、甲南幼稚園を創立。
　　明治45年(1912年)　同、甲南尋常小学校を創立。私費による育英事業(後の拾芳会)。
　　大正３年(1914年)　7.28第一次世界大戦、勃発。8.23対ドイツ宣戦布告、日本参戦。
　　　　　　　　　　　　　　日清・日露に次ぐ３度目の戦時下の保険問題に直面。
　　大正６年(1917年)　東京海上火災保険株式会社の専務取締役に就任。
　　　　　　　　　　　　　　同年、大正海上火災保険会社の専務取締役も兼務。
　　大正７年(1918年)　第一次世界大戦、終結。戦時景気が終わり、不況期に入る。
　　大正８年(1919年)　甲南中学校を開校。
　　大正12年(1923年)　７年制・甲南高等学校を創立。甲南中学校を廃止。
　　大正14年(1924年)　東京海上火災保険株式会社の専務取締役を辞任。
　　大正15年(1925年)　甲南学園の理事長主任。　
　　（以下、省略）

　　釟三郎は「人生三分論」という考えを、４０歳半ばから持つようになった。
　　第一期は、両親・社会に育まれ、養われる「他力」の時期。
　　第二期は、自分自身の努力で、自分のために働く「自立・自利」の時期。
　　第三期は、自立できた恩愛に対して社会奉仕する「利他」の時期。
　　大正３年は、その「第三期」の社会への奉仕が始まろうとする時期であった。

　　大正14年に東京海上を退職し、翌15年には甲南学園の理事長に就任して、
　　釟三郎は、人生の第三期「社会奉仕」に完全に入り全力を傾け、尽力が始まった。
　
　　しかし、この後、釟三郎は国家が「暗い坂道」を転げるように突き進むとき、
　　請われて「最後のご奉仕」に駆り出されることになる。
　　釟三郎は「戦争反対」であったが、リベラリストであり、愛国者であり、臣民であった
　　釟三郎は、請われれば「国の窮状を見て見ぬふり」はできなかった。
　　「最後のご奉公」として、川崎造船所社長、ブラジル経済使節団長、貴族院議員、
　　文部大臣、日本製鉄社長、などを歴任した。あの「大日本産業報国会」の会長さえ
　　勤めたのである。

　　しかし、いまは「昭和」は措いておくことにするが。彼が亡くなった昭和２０年は、
　　私の生まれた年でもある。

　▼一方、賀川豊彦(明治２１年・1888年～昭和３５年・1960年)の「年譜」は、次の
　　ようになっている。「１９１４年・大正３年」は、豊彦、数え２７歳であった。

　<年譜>
　　明治21年(1888年)　賀川純一の二男として、神戸市兵庫島上町に生まれる。
　　明治26年(1893年)　徳島県板野郡堀江村、第二堀江尋常小学校に入学。
　　明治33年(1900年)　県立徳島中学校に入学。寄宿舎に入る。
　　明治38年(1905年)　徳島中学校を卒業。明治学院高等学部・神学予科に入学。
　　明治40年(1907年)　同予科を卒業。神戸神学校に入学。喀血、４ヶ月入院。
　　明治41年(1908年)　三河・蒲郡にて転地療養。徴兵検査、丙種合格。
　　　　　　　　　　　　　　『死線を越えて』の原稿を携え、島崎藤村を訪ねる。
　　　　　　　　　　　　　　神戸神学校に戻るも、鼻の手術後発熱、危篤状態に。
　　　　　　　　　　　　　　京大病院にて、結核性痔瘻の手術。
　　明治42年(1909年)　神戸葺合・新川にて、路傍伝道を開始。元町でも路傍伝道。
　　　　　　　　　　　　　　クリスマスの夕刻、葺合区北本町に転居、救霊団の事業開始。
　　明治44年(1911年)　救霊団(のちの神戸イエス団)実業補習学校を開校。
　　大正元年(1912年)　神戸神学校を卒業。新川・貧民窟の伝道に全力をそそぐ。
　　大正２年(1913年)　神戸日本基督教会にて、芝はると結婚。
　　大正３年(1914年)　プリンストン大学とプリンストン神学校に入学のため神戸出帆。
　　大正４年(1915年)　プリンストン大学、実験心理学と生物学のＭ・Ａクレディット。
　　大正５年(1916年)　プリンストン神学校より、Ｂ・Ｄ神学士の学位を受ける。
　　　　　　　　　　　　　　ニューヨークの貧民窟を視察。
　　　　　　　　　　　　　　シカゴ大学入学するも喀痰あり、帰国を決意。
　　大正６年(1917年)　神戸・新川に２年９ヶ月ぶりに帰る。
　　　　　　　　　　　　　　貧民崫で無料巡回診療を始める。
　　　　　　　　　　　　　　兵庫県より、イエス団友愛救済所の事業許可。
　　　　　　　　　　　　　　葺合区日暮通に資本金12,000円で歯ブラシ工場を設立。
　　大正７年(1918年)　友愛会６周年大会で「労働者は何故に貧民になるか」講演。
　　　　　　　　　　　　　　友愛会・葺合支部長、神戸連合会の評議員に推される。
　　　　　　　　　　　　　　馬島僩が診療所活動を助ける。　
　　　　　　　　　　　　　　8.3富山・米騒動、全国波及、8.12神戸でも米騒動(鈴木商店焼討)。
　　大正８年(1919年)　大阪に「購買組合共益社」を設立。
　　大正９年(1920年)　中国に講演旅行。
　　　　　　　　　　　　　　神戸購買組合を設立し、理事となる。(設立認可、大正10年4月)
　　　　　　　　　　　　　　灘購買組合の設立に協力。(設立認可、大正10年5月)
　　　　　　　　　　　　　　友愛会８周年大会で、大杉栄や荒畑寒村などと対立。
　　　　　　　　　　　　　　『死線を越えて』を改造社から出版、ベストセラーとなる。
　　大正10年(1921年)　川崎・三菱造船所に争議、実行委員長となる。
　　　　　　　　　　　　　　バートランド・ラッセル来日、賀川と語る。
　　　　　　　　　　　　　　川崎争議団、賀川ら先頭に街頭デモ(示威活動)、13,000人。
　　　　　　　　　　　　　　当夜(7.29)争議団本部、警官に襲われ検束。
　　　　　　　　　　　　　　日本農民組合を杉山元治郞らと設立。
　　大正11年(1922年)　大阪・安治川基督教会で大阪労働学校を設立、校長となる。
　　大正12年(1923年)　水平社の依頼で全国講演。
　　　　　　　　　　　　　　関東大震災(9.1)、翌日被災地救援、山城丸で横浜に向かう。
　　　　　　　　　　　　　　東京・本所、松倉町にテントを張り、本所基督教産業青年会設立。
　　　　　　　　　　　　　　東京に戒厳令。甘粕大尉、大杉栄ら殺す(甘粕事件)。
　　　　　　　　　　　　　　伯爵・有馬頼寧、新川を訪ね賀川宅に一泊。
　　　　　　　　　　　　　　一家あげて、東京市本所区松倉町に移住。
　　大正13年(1924年)　東京市松沢村に移住。
　　　　　　　　　　　　　　内閣より、帝国経済会議議員・中央職業紹介委員会委員。
　　　　　　　　　　　　　　東京株式取引所で、「新理想主義と新経済制度」を講ずる。
　　　　　　　　　　　　　　全米大学連盟の招待で渡米。英仏デンマーク視察、翌年7月帰国。
　　大正14年(1925年)　日本救癩協会を設立。
　　　　　　　　　　　　　　大阪市此花区四貫島にセッルメントを建設。
　　大正15年(1926年)　末広厳太郞・安部磯雄らと東京学生消費組合を設立。
　　　　　　　　　　　　　　早稲田大学支部のあと、拓殖大・明治大・東京帝大・明治学院へ拡大。
　　　　　　　　　　　　　　新渡戸稲造らと、東京医療利用組合を設立。
　　　　　　　　　　　　　　大阪紡織労働組合が発会、組合長となる。
　　(昭和元年)　　　　労働農民党を結成。中央執行委員となる。
　　　　　　　　　　　　　　新潟・木崎村の小作争議で、無産農民小学校校長に推される。
　　　　　　　　　　　　　　家族とともに、兵庫県武庫郡瓦木村高木東口に移る。
　　（以下、省略）

　
　▼「武庫郡瓦木村高木東」とは、私が生協で働き始め、結婚して二番目の子供が
　　生まれるので、４畳半一間の西宮・甲子園口の第２カナリヤ荘から引っ越した
　　まさに、そのあたりである。

　　阪急・西宮北口駅を北に出て東北に歩くと、北口町・高木西町・高木東町・荒木町
　　となる。その荒木町に引っ越して、昭和４５年(1970年)から５年ほど住んでいた。

　　３人の子供をつれて、西宮北口まで買い物に行った。長男にせがまれて『泳げ鯛焼き
　　くん』のレコードを買ったのも、北口の地下にもぐるような低いガードをくぐって
　　出たところの「楽器店」で買った。

　　家から北口まで行く途中、高木東町に「一麦保育園」がある。それが、賀川一家が
　　引っ越した「瓦木村高木東」で、昭和７年(1932年)に設立した保育園であることを
　　知ったのは、私が西宮から明石に引っ越したころではないか。

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