●2012年06月02日(土) 晴れ
▼全国健康保険協会というところから、
「あなたは、高額療養費の自己負担限度額の適用が受けられます」
という通知が届いた。
去年1月に入院して、そのとき支払った金額が、自己負担限度額を
超えているので、申請すれば払い過ぎ分が払い戻されるというのである。
取るのは有無を言わせないが、払い戻すのは「申請主義」で、知らなければ
制度の恩恵に浴することはない・・。
2000年会の仲間で、免税・節税、支給・助成など、「申請主義」のこんな「制度」に
詳しい奴がいる。集まると、その知識を披歴し、講釈を垂れる。
▼いやだナーと思う。
知る知らないで、当然のように、不公正が罷り通る制度・・。
それにしても、1年半近くたって今ごろ、どうして
こんな通知が届いたのか、よくわからない。
「もし、戻ってきたら、あんたに半分あげる」と言っていた
払い戻しが、おととい銀行に振り込まれた。
「あなたって、大好き!」、妻はそう言って
そのおカネで、さっき、三宮の美容室に出かけていった。
▼きょうになって、カレンダーをめくった。
六月、
ああ、今年も終わったようなものだなぁ、と
私は思う。
1週間を2・1・2のリズムで暮らすようになって、
私は完璧と思える程、1週間という長さを身につけた。
妻は笑うけれど、事実、火曜日の夜になると、
「あしたは中日、あとは下り半分の木・金だけ・・」と、
1週間は終わった気分になる。
1年も、かくして六月を迎え、
今年も終わったような気分になる。
▼家では「本」を読まないが、昼休みと帰りに喫茶店で「本」を読む。
気の向いた「本」を、暇つぶしに読むので、何を読んだのかも、
読んで面白かった「本」の題名も、著者名も忘れてしまう。
いま読んでいるのは、内田樹・釈徹宗『いきなりはじめる仏教入門』と
『はじめたばかりの浄土真宗』。
若い、いま人気の知性による仏教解説である。
「脱構築」「物語」「ベクトル」「シンクレティズム」「モノシイズム」・・
次々に、ハイカラ用語を駆使して、自らの頭脳のクールなことを見せびらかして
くれる。
▼実際、「もう終わってしまっているんだ」という感じの我が身にとっては、
これも、また、「楽しみの暇つぶし」に読むことができる。
この「本」に、「六波羅蜜」のことが書いてあった。
読んでも、すぐ忘れる私なので、ちょっとメモする。
「波羅蜜」とは、此岸から彼岸へ行くための方法という意味で、
次の六つを「六波羅蜜」というらしい。
1.布施波羅蜜
2.持戒波羅蜜
3.忍辱波羅蜜
4.精進波羅蜜
5.禅定波羅蜜
6.智慧波羅蜜
「布施」「持戒」「忍辱」「精進」「禅定」「智慧」の六つである。
▼解説はやめるが、面白かったのは「布施」である。
「布施」とは、自分のものだと思って、ぐっと握りしめているその手を
そっと離すトレーニングだという。
そうやって自らの「執着」から離れることに、慣れる練習をすることだそうだ。
しかし、「布施」はなかなか難しい。
施したことによって、感謝されることを期待すると、それは「布施」ではない。
布施を相手がどう思おうと、また施した金品をどう使おうと、何の
こだわりもなく行なうのが「布施」らしい。
その話を妻にしたら、
「そんなの常識でしょ。
うちなんか、毎月、ムスメの所に布施しているわ」
という。
ところで、きょう妻に渡したおカネ、あれも「お布施」?
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