南西ドイツ放送交響楽団バーデン=バーデン&フライブルク(SWR)の演奏会に行ってきた。
本日のプログラムは次のとおりである。
・ウェーベルン:夏の風の中で
・シベリウス;ヴァイオリン協奏曲
・ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
指揮:フランソワ=グザヴィエ・ロト
ヴァイオリン:神尾真由子
(於サントリーホール)
たまには海外の優れたオケの演奏を生で聴きたいという訳で、SWRの演奏を聴いてきた。
(指揮者のロトはたぶん初めてであり、正直あまりよく知らない...)
ひとことで言えば、最高のオケの素晴らしい演奏を聴いて、至福の時間を過ごすことが出来て非常に満足した、というに尽きる。これ以外に余計なことを書くことはない。
1曲目の「夏の風の中で」は、もともと普段あまり聴かないウェーベルンの、数少ない好きな曲の1つである。「夏の風」と言っても、太陽ギラギラの猛暑ではなく、避暑地の爽やかな風というイメージの曲である。リラックスしつつ耳を傾け、良い感じで始まった。
2曲目のシベリウスのヴァイオリン協奏曲は大好きな曲で、この曲がプログラムにあるだけで、その演奏会に行きたくなるのだ。神尾真由子の演奏を生で聴くのも、ほとんど初めてかもしれない。
シベリウスのヴァイオリン協奏曲は、自分の勝手なイメージでは、「霧の中から北欧の清涼な風景が徐々に浮かび上がってくる」ところから始まるので、ややか細い(?)ソロヴァイオリンが好みだが、そういう意味では、今日の神尾真由子のヴァイオリンは朗々とした感じで、少し別の印象かなという気がした。
しかし、聴いていくとやはりテクニックは素晴らしい! 素晴らしすぎる!
SWRの演奏ももちろん素晴らしいし、完全に引き込まれてしまった。ああ、至福の時!
アンコールとしてパガニーニの「24のカプリース」から17番を弾いた。これは神尾の十八番なのだろう。(え?17番?)
休憩のあとは、ベートーヴェンの「英雄」だ。これがまた素晴らしいのなんのって。どちらかというと重厚な「英雄」が好きなのだが、第1楽章は、これはちょっと軽快な「英雄」かなという気がした。
しかし、聴いていくうちにやはり完全に引き込まれていってしまった。なんというか、表現が豊かなのだ。もちろん個々の奏者の巧さがそれを可能にしているのだろう。
本当に良い演奏を聴いたという実感がわいて、演奏が終わった瞬間は放心状態だった。
それが、ロトの「I don't speak Japanese. ARIGATO.」でふっと楽になり、アンコール曲の「フィガロの結婚」序曲で(これもまた素晴らしい演奏)しめとなった。
今日の演奏会は大満足だった。本当に行って良かった! SWR、素晴らしすぎ!
なお、17日(金)にもSWRの演奏会がサントリーホールであるが、そちらはメインが「マーラー5番」なのでパス。
ログインしてコメントを確認・投稿する