会社の同僚に待望の第一子が誕生したようで、女の子の名前を「楓」にするかどうかという話を聞いたとき、おめでたい話なのに僕は「先越された感」ばかりが先行してしいた。
というのも、近い将来、もし自分に女の子ができたら「楓」がいいかもしれないと、密かに選択肢のひとつしてストックしていた名前だったから。今風の名前からすると、ちょっと古風に過ぎるかもしれないけど。
「秋に産まれたから楓」というのも、もちろん立派な名前の由来なんだろうけど、僕の場合はスピッツのかの名曲が大きなインスピレーションの源になっていた。この曲を耳にして以来、僕はスピッツの音楽にどうしようもなく「秋」という抽象的なイメージを拭い切れずにいる。それこそ子供の名前にしたいくらい。実は草野正宗の好きな季節は秋ではなく夏だったという事実を知ってもその気持ちは変わらなかった。(スピッツは
夏曲ばっかり!)
サウンド的には特筆すべきことはなく、これといって秋っぽさも感じられない。ただし、ブリッジ部分における舞い落ちる木の葉のようにスケールを下降していくメロディが、どことなく秋を感じさせなくもない。
コーラス含め、日本人の琴線に触れる叙情的なメロディだと思います。単純に言えば、「胸がキュンとなる」。スピッツで一番好きな曲です。
「僕のままで/どこまで届くだろう」という願いは、スピッツ的なるモラトリアムを象徴する言葉。
結局、同僚の子供は「楓」ではなく、別の名前になったようです。(で、その名前は忘れた)
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