■秋の空

●９月５日(日)

　▼長いことかかった長期修繕の足場と防御シートが取り払われ、
　　きょうは９月の団地掃除があった。

　　伸びた夏草を鎌で刈る。
　　雨が降らないので、刈り取った草は
　　乾草の匂いがした。

　　メタセコイアの枝に
　　足長蜂が巣を作っていた。
　　この夏、十年振りだろうか、
　　黒い大型の山蟻が台所にあがってきた。


　　　葱を捨てたりゃ
　　　萎れて枯れた
　　　捨てりゃ葱でも
　　　萎れて枯れる
　　　お天と様見て
　　　おらぁ泣いた

　　日照り続きで、野口雨情の詩を思い出した。


　▼クーラーのない我が家では、夏は扇風機とパンツ一枚で
　　過ごす。

　　５２．５キロだった体重は、５６．５キロまで増え、
　　夏太りした。
　　休みの日には、日中からビールや焼酎のオンザ・ロックが飲めて
　　私は夏が好きだ。

　　掃除が終わって、シャワーを浴びて
　　アイス・コーヒーを作る。
　　冷蔵庫の氷をかき混ぜ、牛乳を加え、最初の氷が解けだした
　　ところで、更に氷を追加する。

　　「あんたが作るアイス・コーヒーだけはうまい」と、
　　一口飲んで、妻は出勤していった。


　▼ベランダから見える、白い夏の光。
　　その陽の翳りも、次第に早くなっている。

　　妻から忘れないようにと言われた
　　洗濯物のシーツと座布団を
　　昼寝から起きて取り入れる。

　　乾燥した洗濯物は、
　　夏の日の温もりが残っていた。

　　空はうすい青空で
　　白い雲も秋の雲だった。