mixiユーザー(id:2230131)

2009年05月21日01:49

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Presence/Led Zeppelin

鉄の塊。大砲。飛行船。エンジン。溶岩。オイル。大理石。血液。モノリス…。

かの渋谷陽一が、本作をツェッペリンの最高傑作に挙げた上で、「ロックというものを物質化して見せるのは不可能だが、このアルバムではそれに限りなく近いことをやっている」という非常に的確な表現をしている。
じゃあ「それってどんな物質?」と問われたとしたら、僕なりに連想するのが上に挙げた物質である。(だから何?ってのもあるかもしれないが)
そう、このアルバムには、その身で感じられる確かな重みがあり、手で触れられる確かな質感があり、目に見える確かに具現化されたイメージが存在する。

それもそのはず、本作は、前作前々作とは打って変わって、ヘヴィー・メタリックな音像と、“物質”だけがひたすら飛び交っている。
装飾は一切無し。ギター、ベース、ドラムスのみの、ごくミニマルな編成。お得意のキーボードすら使われていない。
スローテンポのバラッドも無し。ラストには“一人でお茶を”というブルーズ・ナンバーも収録されてるが、どこか切迫感が漂っていて落ち着かない。
とにかく、全編に亘ってヘヴィーなハードロック・ナンバーが鳴り続けている。

こういった真っ裸な編成は、バンドとしての力量が問われるところだし、ともすれば単調な流れになってしまいがち。だが非凡なプレイヤーが一同に会している彼等のようなバンドにとっては、逆に自らのスポンティニアスな魅力を誇示する格好の機会だったようだ。

もはやこれは古典と言ってもいい。
事実、本作は「バンド・アンサンブルのみを核としたロック」における最重要作であり続けているし、この高みに到達できた作品は未だ存在しない。
小細工無しの正面突破なんで、他のバンドと比べようがないってのもあるけど。

このように、音楽史的には重要な作品であります。
ただ、個人的な好みを言ってしまって恐縮ですが、実はツェッペリンでは聴く機会が少なかったりする。(笑)
とにかく激しくて重いもんでね。聴く時の気分を選んでしまうよね。
まあ、デビュー作から既に多彩な音楽性を内包していたツェッペリンにとって、こういう作品はどこかで作っておかなければならない重要なポイントだったと思うし、実はキャリアにおいて一番影響力を持った作品かもしれない。
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