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2006年02月16日03:59

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●寄り道ついで (50)/■間口

■「ここのお店、もうかったね!」

 ・きょう、と言っても日付が変わったので昨日のことになるが、
  妙法寺の駅に着いて、妻に携帯をかけた。

   「ただいま、電話に出ることができません・・・
    ピーと鳴りましたら、メッセージをどうぞ・・」


   「もし、もし、いまどこ。
    ぼく、妙法寺に着いたところ。電話ください」


 ・残業したので遅くなり、妙法寺駅に着いたのが9時ちょっと前。
  この時間なら、妻と落ち合うことができる。
  外食にしよう。


  そう思って、妻に携帯をかけたのだ。

   プルプルと鳴って、

   「もしもし、わたし。いま名谷。なに?」

   「いま、妙法寺の駅にいる。待ってるわ」

   「うん、すぐ行く」


 ・名谷と妙法寺は一駅、お隣りの駅だ。3分もあれば来る。
  リファーレ横尾の入り口で待っていたら、ほどなく妻が来る。

  私たちは、ときどき晩飯を外食にする。
  妻と私の帰りの時間が、たまにいっしょになるときだ。

  妻は、外食をよろこぶ。帰って台所に立たなくていいからだ。
  だから、最近は月に1回くらいは、晩は外食のはずである。


 ・間口を広げてはいけないが、贅沢というほどのものではない。
  二人で3000円もあれば足りる。
  今月はまだこれが初めてだろう。

  まぁ、ありがたいことである。
  私たちも、ときどきは外食ができる身分になって・・・。




 ・子供が小さかったときは、ほとんど外食はしなかった。
  
  あれは、明石の明舞団地に住んでいたころだから、子供達は
  みんな小学生で、ナオが5年、サイコ3年、タツが1年生くらい
  だったと思う。


  家族でたまに「食堂」に行った。外で食べるのは、また楽しい
  ものである。

   「きょうは、なんでもいいから、好きなものを
    たのんだらいい」

  給料日のあとの休日の「外食」では、子供たちにそう言って
  普段は食べない、少し高いものを注文するようにさせた。



 ・でも、子供の性格・気質はこんなときにも現れる。

  一番下の次男・タツはメニューを見て、

   「これ、なあに。どんなの?」

  と聞いて、まだ食べたことのない品を選ぶ。
  また、値段が高かったらおいしそうなので、高いのを選ぶ。

  一番上の長男・ナオは、メニューを一通り見るが、いつも
  だいたい、値段の安いものをたのむ。

  もう、食べたことのあるもの、安いものを注文する。

   「もっと、ほかのものも注文したら」

  と、すすめても、「ぼく、これでいい」という。


 ・気をつかっているのか、と思い、私は不憫になる。
  ナオは、だいたい、いつもこうだった。
  「何でもいいから、好きなものを」といっても
  注文するものが、新しいもの・高価なものへと向かわなかった。


  同じ兄弟でも、長男・次男、そして、もって生まれた性格・気質は
  異なる。


 ・あるとき、やはり「食堂」に行ったときだ。
  普段より、たくさん注文して、量が多かった。

  我が家では、自分が食べきれないときはほかの子が
  その残りを食べた。

  また、ひとの食べているものがおいしく思えるので、
  それで、子供三人・きょうだいで、自分の注文したものを少し
  食べては、ほかの子の食べているものと交換して、
  「回し食い」もよくしていた。


  その日も、私も加わって「回し食い」をしたが、それでも
  あまった。食べ切れなかった。注文した量が多かったのだ。


  全員、満腹になって、テーブルに料理が残った。


  すると、タツが私に耳元でささやいた。

   「ここのお店、もうかったね!」

  タツは、残った料理をこの店の人が、てっきり食べるものだと
  思っていたのだ。


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