9/2(土),3(日)、連夜放送された「NHKスペシャル」『映像記録･関東大震災〜帝都壊滅の三日間』(前･後編)を見た。
関東大震災は1923年9/1午前11時58分に発生した。今年はそれからちょうど100年になる。
しかし、地震被害が、何故、東京市市民の7割もの人々が家を失い、10万5千人にも及ぶ死者を発生させる程甚大なものとなったのか、未だ充分には解明されていない。(ちなみに当時の東京市の人口は約220万人である。)
震災の記録映像はそれ自体多くないが、数人のカメラマンが大混乱の中、決死の覚悟で撮ったフィルムが合計5時間分存在した。勿論モノクロの不鮮明なものである。
それらは整理されずバラバラな状態で、いつ何処を撮影したものかもよく分らずにきた。
つまり、科学的、合理的なデータとして活かされてこなかったという事である。
それは、今後遠くない将来に間違いなく発生すると言われている巨大地震の被害をより小さく食い止めるためには、極めて不十分な対応であったと言わざるを得ない。
今回NHKは、これらのフィルムを８K高精細化･カラー化する事を試み、成功した。
写されている看板や住所表示その他から、映像の多くがデータとして生き返り、何日の何時頃、カメラを何処に置いて何処を撮影したものか判明する事となった。
併せて、166時間分の証言音声を入手、それを重ねる事で、リアリティは一層増した。
更に、行った実験により、火災旋風等のメカニズムを解明、火の手がどう拡大したかも実証された。
高精細になった事で得られたものは他にもあった。写っている人々の表情迄把握できたのである。
当初は遠くの火の手を眺めて笑顔迄浮かべていた人々の表情の変化には空恐ろしいものがある。
群衆心理と行動の実態にも解明は進んだ。
火災が収まった頃、焼け跡に爆発的に広がった流言飛語は、多くの殺害事件もひき起した。人々は何故狂気に憑りつかれてしまったのか。
8K化･カラー化の成果はここ迄進展したのである。
ディレクター 三木健太郎,後藤遷也
再放送の機会もあるだろうから、ご覧になれなかった方は、是非見て頂きたい
具体的な中身について、できればもう少しレポートしたいと思っているが、今日はここ迄にしておく。
(続く)
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