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2021年06月11日21:35

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散文詩『眠れぬ夜明けの中で』

疲れても眠れないのなら吊られて揺れてみようかとも思う。

憂鬱で窮屈な自室のカーテンの隙間から
青白い光は滲み出て。

ふと旧友を思いだすくらいにそれは青く、白く。

燦々と照らす日の下で可哀想なくらいに色の抜けたお前の顔は

生きていたのか死んでいるのかと

問えば『死んでいるのかもな』と物哀しく笑うものだから

カラカラと乾いた笑みを拵えたっけな

青臭い心は腐り、不貞腐れることで『成熟した大人の色気』になるのだと嘯けばあの日のように笑えてしまうよ

お前は何をしているのだろうね

俺は何をしてるんだろうね?

つい最近も俺達の故郷では強く風が吹いていたよ。

その中で震える壁と軋む柱の音、その箱の中で震えているのはどちらだろう

白くなって弱くなっていくあの顔と白く弱々しく衰弱していくこの自我の中で

生活という泥の中に共に埋没していく喜びと物悲しさを分かち合う友は今は居ない

ただ風が吹くのだ。 風が吹く。 言葉も会話も無い吹き荒れる。

物だけがあるこの場所で。



竿も垂れてグレることもできない

いつかのように夜は堪えて堪えても答えは問えることもなく成り果て

ただ横になる それすら出来ずにうずくまる

重苦しい夜と朝の間に慈しみいつも苦しむ

その向かう先は同じだろうか? 違えるのだろうか?

そうして今日もまた。

風が吹く 耳の中 頭蓋の中 心の中
ザーザー、ザーザー、空っ風だけが
どちらにも属すことない宙ぶらりんと揺れている

風に揺れることない心の中を

ブラリブラリと揺れている

あれはなんだろうね?

考えて、感じても答えはなく。

ボンヤリと天井を見上げてる。
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